愛知県常滑市でイチゴの観光農園、レストラン、ワイナリーなどを運営している株式会社ブルーチップ。イノチオグループの営農支援(栽培技術サポート)をご活用いただいている感想、アメリカのライフスタイルやカルチャーに憧れを抱き築き上げた事業を通して、お客さまに伝えたい「デリバリングハピネス」への想いについて、代表の馬場憲之さんにお話しをしていただました。

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所在地等
愛知県常滑市
面積
0.4ha(イチゴ)/1ha(ブルーベリー)/2ha(ブドウ)
栽培作物
イチゴ、ブルーベリー、ブドウ

異業種からの農業参入~BtoB→BtoCへ~

農業参入する以前は、空港事業を展開していました。アメリカ同時多発テロ事件(9.11)をきっかけに空港事業の仕事がすべてなくなってしまったことで、新しくBtoCのビジネスをはじめようと思い常滑で農業をはじめました。

実際に農業参入をして感じたことは栽培技術だけでなく、人との関係性も大事だということです。その地域で農業に取り組むということはお客さまだけではなく、近隣住民のみなさまにも理解と満足をしていただかないといけない。独りよがりだけでは農業はできないと感じます。

ブルーチップに生きる「アメリカンカルチャー」

若いころからアメリカが好きで何度も足を運んでいました。自分の好きなアメリカのカルチャーを農業で表現できたらおもしろいと思い、イチゴやブルーベリーなどの栽培をはじめました。

ブルーチップでは、生産・加工・販売すべてを網羅する六次産業化を目指してビジネスを行っています。自分たちのビジネスをどうしたらアメリカのカルチャーに寄せることができるかという部分を意識しつつ、さまざまな事業展開を行っています。

イノチオは気軽に相談できるパートナー

ビニールハウスの建設だけではなく、営農支援(栽培技術サポート)もできることがイノチオを選んだ最大の理由です。全く関係のない業界から農業参入したこともあり、私たちは農業に関する経験もなければ、技術もありません。素人が農業参入をして、継続していくことは容易ではありません。これには、イノチオの営農支援がなければ難しいのではないかと思います。いち会社として、コストに関しても気軽に相談することができ、知識面においても幅広くサポートしていただける部分が、企業としても非常にクリアだと感じました。

スマート農業技術でも栽培をサポート

アクアビートを使用することで、農業における技術や経験といった部分のサポートが可能になります。農業経験のない私たちにとっては、アクアビートによる潅水制御は非常に大事なものですし、実際アクアビートがなければ私たちの作物は栽培できないといっても過言ではないです。

若者の就農という夢を応援する

農業で生計を立てたいと考えている従業員向けに就農支援を行っています。

私が農業をはじめた際には、経験もなければ知識もない状態でした。だからこそ、今の若い世代には、やる気さえあれば少しでもスムーズに農業に参入してほしいと考えています。栽培し、利益を出し、生計を立てる。ここまでできて農業という職業が成り立つわけですから、軌道に乗る前段階の部分は会社としてできる限りサポートしていきたいです。ビジネスとして土台を作ったうえで、最終的にやりがいや生きがいを見出すことができる。農業はそういったビジョンが描きやすいのではないかと思います。

ここでしかできない経験で幸せを届けたい

ブルーチップが社是として掲げている「デリバリングハピネス」(お客さまに幸せを届ける)の想いはコロナ禍でも変わっていません。

ブルーチップを訪れて得られる幸せや特別感を、お客さまにより一層意識してもらえるようになったと思います。また、このような状況だからこその新しい目標も増えました。例えば、いちご狩りでは飲食店のホールと同じような形式で、新サービスを提供できないかと考えています。ペットを連れてのいちご狩り(実際にドックランを併設されています)など、お客さまにブルーチップに行きたいと思っていただけるような新しい付加価値を作っていくことが、これからの私たちの目標です。

今まで以上のお客さま視点をイノチオに期待している

製造や販売だけではなく、小さくてもいいので実際にビニールハウスを建て、従業員の方が営農をすることで、よりお客さま視点での営業ができるのではないでしょうか。

細やかな部分が今以上にしっかりとサポートできることで、会社と顧客との間に更なる信頼や新たな価値観が生まれると思います。また改善意見を共有することで更なる良いサービスが生まれることにも期待しています。

ブルーチップが導入するビニールハウス

丸型ハウスD-1
耐久性と経済性を追求したロングセラー

丸型ハウスD-1は、耐久性と経済性を追求したロングセラーのビニールハウス。80種類以上の作物で導入された建設実績があり、近年ではイチゴ高設ベンチとセットで数多くのお客さまに選ばれています。シンプルな設計構造で建設期間の短縮を実現。それによって、ビニールハウスの価格を抑えることにも成功しました。

また、屋根、樋部に上りやすい構造によって、屋根面の被覆材補修やフィルム交換、遮光剤散布などをお客さまにて行うこともできるので、事業開始後のビニールハウスのランニングコストを抑えることも可能です。(※お客さまでの修繕や施工の安全を保証するものではありません)
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ブルーチップが導入するスマート農業製品(内部設備)

自動潅水システム AQUA BEAT Ex
多彩な灌⽔設定で作物に最適な栄養供給をサポート

アクアビートは、時間・流量・⽇射※1から、お客さまの栽培⽅法に合わせて理想の灌⽔制御が⾏えます。1系統ごとに灌⽔量と肥料倍率の設定もができ、お客さまのこだわりの栽培を実現します。

これまで熟練の経験を持った⽣産者でなければ、最適な灌⽔を⾏うことが困難でした。しかし、アクアビートなら灌⽔量・排液量※2の記録ができるので、データをもとにした持続的な栽培が可能です。

エアロビート、スラブサイトを同時に活⽤することで、⽇射・気温・湿度・灌⽔量・地上部と地下部の栽培環境の⾒える化を可能にします。導⼊後のサポート体制も整っているので安⼼して栽培を⾏えます。
※1:⽇射制御は別途指定センサが必要です。
※2:排液量計測は別途指定センサが必要です。
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イチゴ高設栽培ベンチ ストロベリーハイポ
経営スタイルで選べるベンチ

イチゴ高設栽培ベンチのストロベリーハイポは、観光農園向けの一本足ベンチ、一般的な栽培に選ばれる二本足ベンチの2種類から選択できます。また、ベンチの高さ・通路幅などお客さまの農業経営に最適な仕様を提案します。

また、高設ベンチに設置する栽培用ベッド、生育ムラが少なく栽培管理が容易な連結式ベッド、個別にベッドの取り外しのできるプランタータイプの独立式ベッドの2種類から選ぶことができます。
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ビニールハウスを建てる前に知っておきたいポイント

個人の新規就農や企業の農業参入で施設園芸の分野で農業をはじめる場合に、ビニールハウスの建設は不可欠です。しかし、ビニールハウスと一言に表現しても種類や規模、導入する設備によって金額感が大きく変動してきます。

こちらでは、お客さま事例のブルーチップさんのように栽培を行うために、ビニールハウスを建てる前に知っておきたいポイントをご紹介します。

知っておきたいポイント➀ビニールハウスの構造体

ビニールハウスの価格は、建設面積の大型化や、軒高(柱高)が高くなることによって、ビニールハウス価格が上がる傾向にあります。それに加えて、風速や積雪等の厳しい地域では、土地環境に耐えうる構造体で設計されるためにさらなるコストアップとなります。

ビニールハウス価格を抑える際は、ビニールハウスの性能を損なわない形で、用地に基づく合理的な設計をすることで金額抑制に繋がります。弊社はお客さまの予算、栽培作物、栽培方式、土地環境をもとにビニールハウス1万棟の建設実績から仕様やビニールハウス建設プランをご提案いたします。

知っておきたいポイント➁被覆材

ビニールハウスのイニシャルのコストダウン、または費用対効果の検討ポイントの1つ目として被覆材があります。ビニールハウスの被覆材は農業用ビニール(農ビ)、ポリオレフィン系フィルム(POフィルム)、硬質フィルムなどがあり、耐用年数や製品特性に応じてフィルムの選定をします。性能や耐久性の高い製品を展張の場合、フィルムそのものの価格とともに、施工方法に伴う資材や工事費も高価となります。

耐用年数3~5年の被覆材と15年以上の長期展張型フィルムを比較すると、 100万円以上の価格差が生じるケースもあります。そのため、立地条件、栽培作物、栽培スケジュール、ご予算などから、お客さまにとって最適な性能(耐用年数、厚み、保温性、透光率、波長、流滴性)の被覆材をご提案いたします。

知っておきたいポイント➂内部設備

ビニールハウスのイニシャルのコストダウン、または費用対効果の検討ポイントの2つ目としてハウス内部設備があります。ハウス内部設備は選択する仕様によって、ビニールハウス本体の価格と同程度またそれ以上の価格になることもあります。

遮光や保温を行う内張りカーテン装置、ビニールハウス内の温度管理を行うための暖房設備やヒートポンプ設備、ハウス内の温度環境の均一化を目的とする循環扇などの空調設備、炭酸ガス施用設備、環境設備や潅水設備など、設備仕様は多岐にわたります。内部設備の選定に関しても、ビニールハウス建設実績1万棟以上の知見を活かして、栽培作物と目的に適したビニールハウスの内部設備をトータルでご提案いたします。

企業が農業参入するまでの流れ

企業が農業参入する上で、事前準備が非常に重要です。新規就農・農業参入における流れや準備物を個人及び担当者で調査し、明確化することは非常に難しいです。そのためビニールハウスや施設園芸に携わり50年以上の知見を活かし、農業参入するまでの流れをご説明します。

農業参入するまでの流れ➀事業構想の作成

先ずは、企業が農業参入をする事業の目的、参入意図、栽培作物、販路の4つを整理します。企業の場合、目的や参入意図として、独立した事業での農業生産のみならず、既存事業との相乗効果発揮や人材の再雇用先創出、SDGsやCSRなどの観点による企業PR強化、新規事業での参入などが多く見られます。まずは企業として、どのような目的や意図を掲げて参入をするのか?どのような栽培作物を栽培するのか?生産した農産物をどこに販売するのか?を検討することからはじめましょう。

各目的に応じて、必要な検討材料が異なります。例えば、新規事業の場合は農業参入を行うことでのイニシャルコスト、ランニングコストをもとに検討を重ねる必要があるため、検討段階の初期からハウスメーカーに相談することが重要です。

農業参入するまでの流れ➁作物選択と事業計画・収支シミュレーション

事業構想の作成が明確になり次第、ハウスメーカーに相談を行い、事業計画を作成していきます。イニシャルコストでは、ビニールハウスの仕様やビニールハウス本体以外の内部設備、栽培1年目の準備物を検討していきます。ビニールハウスは各製品によって、適用作物、耐積雪及び耐風速、間口や奥行などの仕様が異なるため、土地を探す前に理解しておくことがポイントです。事業構想に最適なビニールハウスや導入設備をハウスメーカーに提案していただきましょう。

ランニングコストでは年間の売上原価や販売費、一般管理費の試算をもとに、必要な人員やコストを把握します。大規模な農業経営では作業時間から算出した人員の確保が非常に重要であり、人員確保できない場合は事業を軌道に乗せることが困難です。そのため事業開始時の人員を明確に把握し、準備しておきましょう。

一例としてコスト面としてはビニールハウスの修繕や頻度を事前に把握することがポイントです。ビニールハウスの被覆材は耐用年数によって修繕費用や頻度が異なるため、把握した上で信頼できるハウスメーカーとハウスの仕様を決めていきましょう。

農業参入するまでの流れ➂農地の確保と調査・測量

農地の確保は、求める農地の条件が明確になり次第、各市区町村や農業委員会に相談し、候補地を探していくのが一般的です。すでに農地の候補が複数決まっている場合は、思い描く目的や意図をもとに最適な土地なのか?建設可能なのか?栽培に適しているのか?を確認しましょう。必要に応じて、水質などの調査も行い、栽培開始に向けたリスクを事前に把握した上で対処しましょう。

加えて、大規模ビニールハウスを建設する場合は外部環境にも目を払うべきです。周辺地域への深刻な環境負荷が起きないかなどの検討も必要になります。農場から排出されるリスクを最低限にするなど、農地確保段階で周辺調査は専門的な企業へ相談しましょう。

農業参入するまでの流れ④ハウス仕様の決定

計画段階では、栽培エリアのみならず、機器設置エリア、選果エリア、集出荷スペース、そして事務所や制御室、休憩室などを併設することがあります。管理方法、作業動線などを緻密に計画、配置などのプランニングを行う必要があります。それらの建屋は栽培エリアではないため、建築や設置の考え方が大きく異なることがあります。事業計画段階で行政確認のうえで、信頼できる業者と連携して進めることが望ましいです。

農地の確保と調査、測量、行政確認が確認でき次第、土地に沿った仕様でビニールハウスと内部設備を最終確定していきましょう。特に大規模圃場の際は、イニシャルコストだけでの判断ではなく、適切な圃場運営を実現するための労働効率や作業導線、異常気象や故障のフォロー体制、栽培支援などのリスク対策も含めて総合的に判断しましょう。

一方で補助事業の場合、施設仕様の妥当性を重点に捉える必要があります。闇雲に「軒を高くする」「重装備な設備を入れる」などは、収支採算上のこと以外に、選定理由や規模の決定根拠で「過剰設備」と判断されることもあります。導入実績例や必要性を明確にして仕様決定していきましょう。

イノチオアグリは新規就農・農業参入を支援します

イノチオアグリについて

イノチオアグリは施設園芸(農業ハウスやビニールハウス)に携わり、50年以上の知見がございます。50年以上に渡り、培ったノウハウを活かし、農業参入・新規就農を計画段階からご支援しております。お客さまのご要望や条件に基づいて農場を設計し、栽培方法や作業計画を一緒に考え、事業収支の試算までの事業計画の策定をお手伝いします。

さらに、圃場研修や専門指導員によるサポートで、事業開始の準備期間から栽培開始後の運営管理や労務管理に至るまで、農業ビジネスの最前線で培ったノウハウを活かしてお客さまの農場運営をトータルサポートします。

ビニールハウス事業

イノチオアグリでは作物や栽培方式、土地環境に沿ったビニールハウスをご提案。10年間に渡る収量や収益性の試算からお客さまの理想を実現するビニールハウスとスマート農業製品などを含めたハウス内部設備、農業経営の開始後までトータルでご提案いたします。