イチゴの病害虫対策【ハダニ類】
イチゴ栽培でハダニ類を防除する際は、天敵と薬剤を上手に組み合わせることで、農薬の使用量を抑えつつ、品質の高いイチゴ栽培を実現できます。
ただし天敵導入後は天敵に影響の少ない薬剤を選びましょう。またハダニの発生状況に応じて、複数の天敵を使い分けたり併用することで、より安定した防除が可能になります。
イノチオでは、病害虫診断を行うことができます。他にもお困りの症状がある場合は、適した対策を行うために診断をおすすめします!
イチゴ栽培におけるハダニ類

イチゴ栽培においてハダニ類の発生は、主に葉の裏側に寄生して吸汁加害を行うため、葉の光合成能力を低下させます。最終的に果実の肥大や着色に悪影響を及ぼすことがあり、収量や品質の低下など深刻な問題を引き起こします。さらに、防除が難しいために農薬の使用回数やコストが増加するなど、経営にも大きな負担をもたらします。
イチゴ栽培で問題になるハダニ
イチゴなどの施設栽培作物に深刻な被害をもたらす代表的なハダニ類は、ナミハダニ、カンザワハダニです。ナミハダニとカンザワハダニは、見た目にいくつかの違いがありますが、共に体長がわずか0.3〜0.5mmと非常に小さく、ナミハダニの中にはカンザワハダニに似た赤色の個体も存在するため、肉眼での種類の識別は困難です。
ハダニはハウス内で繁殖する

ハダニは一度ハウス内に侵入すると、その環境内で交尾・産卵を行い、急速に繁殖します。
卵から孵化した個体は、脱皮を繰り返しながら幼虫から成虫へと成長し、次々と新たな世代を生み出します。
そのため、最初はわずか数匹の発生でも、短期間で数百匹から数千匹規模にまで増殖します。例えば乾燥した温度25℃前後の条件下では、1匹の雌が100~150個の卵を産み、約10日で世代交代します。その為多発圃場では、イチゴの葉縁にクモの巣のような糸が見られ、そこに多数のハダニの寄生がみられることがあります。
ハダニは越冬する
一般的にハダニは冬季越冬すると言われていますが、近年施設栽培では、温暖化および内張り等による保温や暖房機による加温が行われている事で、冬季でも越冬せず、施設栽培では年間を通じてハダニの発生がみられます。
ハダニの侵入経路
ハダニは非常に小さな体を持ち、ハウスの外から歩いて侵入するほか、風に乗って飛ばされたり、人の衣服や体に付着して持ち込まれることもあります。最大で1時間に数メートル移動できるため、1日あれば隣のハウスまで自力で移動することも可能です。その他苗に付着して侵入するケースもありますので注意してください。またハダニの体は小さすぎて一般的な防虫ネットを設置しても、網目をすり抜けてしまうため、防虫ネットでは完全な侵入防止は困難です。
天敵でハダニ類対策!
特にハダニ類は薬剤への抵抗性が発達しやすく、化学農薬だけに頼らず、天敵などの生物農薬なども組み合わせた効果的な防除体系が現在では有効です。
有効な天敵として、ハダニを捕食する「チリカブリダニ」「ミヤコカブリダニ」などがあります。
イノチオの防除チラシでは、おすすめの天敵資材や有効防除薬剤を掲載しています。
ハダニ発生やその他病害虫に備えるために、ぜひご覧ください。
防除チラシ | 土壌分析・水質分析・病害虫診断 | イノチオ中央農業研究所
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農作物の栽培に必要な土壌の状態・成分の調査・分析や、作物ごとに発生が異なる病害虫に関する診断・防除提案について、知識と経験を豊富に持った専門のスタッフが対応します。適切な栽培環境を整えるために土壌環境、病害虫防除対策を提案します。
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安定した農業経営や健全な作物を栽培するには、分析・検査から得られる数値やデータをもとに作物の状態や栽培環境を把握することが重要です。科学的な分析数値・検査結果と、栽培現場から蓄積した経験知を合わせることにより、栽培過程におけるさまざまな課題に対し的確かつ効率的な対策が可能になります。100年以上農業とともに歩んできた私たちが、皆様の農業経営と作物栽培のサポートをします。
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