11月以降はハウスの締め切り時間が長くなるため、湿度の高い状態が続きやすくなります。

こうした多湿環境では病害の発生リスクが高まるため、予防のためにも定期的な防除作業を心がけましょう。

イノチオでは病害虫診断を行うことができます。他にもお困りの症状がある場合、適した対策を行うために診断をおすすめします!

トマト栽培における葉かび病・トマトかいよう病

葉かび病やトマトかいよう病は発生すると防除が難しく、治療が困難なため、予防が非常に重要です。ここでは、葉かび病とトマトかいよう病の原因や症状、病気を未然に防ぐための対策をご紹介します。

葉かび病

葉かび病の症状

葉かび病は、トマトやミニトマトに見られる病気で、特に施設栽培で多発します。

初期には葉の表面にぼんやりとした淡黄色の小さな斑点が現れ、進行すると葉の裏側に灰黄色〜緑褐色のビロード状のかびが密生します。被害が広がると、かびは灰褐色から灰紫色へと変化し、重症化すると葉の表面にも広がり、葉が枯死し、収量減少につながります。

原因はかび!

葉かび病は、糸状菌(かび)が原因で発生する病気です。発生しやすい温度は20〜25℃で、特に湿度95%以上の多湿環境では発病リスクが高まります。病原菌は、前作の被害作物残渣や資材などに付着して越冬します。発病した葉は早めに取り除くことが重要で、翌年の感染源になる可能性があるため取り除いた葉は圃場の外に持ち出して処分するようにしてください。

助長要因としては過繫茂、過度な潅水、換気不足、樹勢低下です。発生が多い場合は栽培環境や潅水・施肥を見直す事も重要です。

被害の軽減には、耐病性品種(例:CF桃太郎シリーズなど)の導入も有効です。但し菌の全レースに耐性を有しているわけではないので注意してください。

防除対策について

葉かび病は一度多発すると防除が難しくなるため、初期段階での予防散布が重要です。同じ薬剤を繰り返し使用すると耐性菌が発生する恐れがあるため、異なる系統の薬剤をローテーションで使用することをお勧めいたします。また薬剤は葉裏まで丁寧に散布してください。

※有効薬剤は防除チラシ(防除チラシ | 土壌分析・水質分析・病害虫診断 | イノチオ中央農業研究所)をご覧ください。 

トマトかいよう病

トマトかいよう病の症状

トマトかいよう病では、葉は葉縁から萎れて、上方に巻き上がる症状や、葉脈間が黄化し、やがて葉全体が褐変枯死する症状が見られます。茎の内部では維管束が淡褐色に変化し、進行すると空洞化します。また、青枯病菌ほどではありませんが、被害株の茎を水に浸すと白く濁った液が流れ出ることがあります。さらに病気が進行すると、葉・葉柄・茎・果実には、盛り上がったコルク状の小さな斑点を生じ縦に裂けることもあります。

原因は細菌!

トマトかいよう病は、細菌(さいきん)が原因で発生する病気です。発生しやすい温度は25〜28℃で、盛夏期には一時病勢は停滞しますが、近年は年間を通じて発生が見られます。主な感染源は土壌伝染(被害残渣と共に病原菌が土壌中に生存する)、種子伝染、資材からの伝染です。病原菌は作業中の切り口や傷口から侵入します。その為発病株は見つけ次第速やかに圃場の外に持ち出して処分をしてください。芽かきや葉かきなどの管理作業で使用したハサミや手袋などの器具はこまめに消毒してください。

被害の軽減には、抵抗性を有する台木の導入も有効です。

防除対策について

発生圃場では、土壌消毒および資材消毒をしっかりと行ってください。また前作で発病した圃場は、予防的に登録薬剤の散布を行ってください。

※有効薬剤は防除チラシ(防除チラシ | 土壌分析・水質分析・病害虫診断 | イノチオ中央農業研究所)をご覧ください。

土壌分析・病害虫診断はイノチオ中央農業研究所におまかせ!

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農作物の栽培に必要な土壌の状態・成分の調査・分析や、作物ごとに発生が異なる病害虫に関する診断・防除提案について、知識と経験を豊富に持った専門のスタッフが対応します。適切な栽培環境を整えるために土壌環境、病害虫防除対策を提案します。

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安定した農業経営や健全な作物を栽培するには、分析・検査から得られる数値やデータをもとに作物の状態や栽培環境を把握することが重要です。科学的な分析数値・検査結果と、栽培現場から蓄積した経験知を合わせることにより、栽培過程におけるさまざまな課題に対し的確かつ効率的な対策が可能になります。100年以上農業とともに歩んできた私たちが、皆さまの農業経営と作物栽培のサポートをします。

※各種分析・検査は有償です。 分析・検査後の結果に対する補償等は致しかねますのでご了承ください。一部の地域・サービスについてご希望に添えない場合もございますので、ご了承ください。

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