日本全国で栽培ができ、かつ年間を通して需要が高いトマト。これから新しく農業をはじめるという人の中にも、収益の安定性を期待してトマトを栽培作物に選ぶ方が少なくありません。では、実際のところトマト農家の収入はどうなのでしょうか。
このコラムでは、トマト栽培に取り組む際の注意点やトマト農家の作業内容、そして地域別の収入についてご紹介します。

トマト農家の魅力と稼ぐための秘訣とは?

トマト農家の魅力

トマト農家の魅力は、まず高収益が期待できる点です。特に高糖度やブランド品種など付加価値の高いトマトを栽培すれば、より大きな利益を得ることができます。
さらに、ハウス栽培や水耕栽培を導入することで、年間を通じて安定した生産と出荷が可能になり、収入も安定しやすくなります。


加えて、トマトは全国的に人気があり、さまざまな料理に使われるため需要が途切れることはほとんどありません。健康志向の高まりも追い風となり、消費量は増加傾向にあるため、今後も安定した需要が見込めます。

トマト農家の仕事は大変?

天候・病害虫リスクへの対応は必須

トマトは気候の影響を受けやすい作物で、特に露地栽培では気温や降雨量によって収穫量や品質が大きく変わります。
また、うどんこ病やハダニなどの病害虫にも弱いため、日々の観察と適切な対策が欠かせません。

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一方で、ビニールハウス栽培を導入すればこうしたリスクを大きく減らすことができます。ハウスは外部の天候に左右されにくく、雨や風、霜、猛暑などの過酷な気象条件からトマトを守ることが可能です。さらに、外部からの侵入が制限されるため、病害虫の発生リスクも露地栽培に比べて低くなります。

またハウス内では温度管理ができるため、通常より早い時期に栽培を始めたり、収穫を遅らせることも可能です。これにより、市場でトマトが不足している時期に出荷でき、高値で販売できるチャンスが広がり、収益性の向上につながります。

栽培技術や知識の習得が必要

トマト栽培には、定植や摘芯、誘引、収穫など多くの作業があり、特に収穫期には早朝から作業を行うこともあります。さらに、品質の高いトマトを育てるためには細やかな管理が欠かせず、時間と労力がかかるのが実情です。
しかし、スマート農業を導入することで、こうした作業負担を大きく軽減することができます。作業を自動化するだけではなく、勘や経験で行っていた管理を数値にして見える化する機械もあり、栽培の改善に向けたヒントを見つけることができます。

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トマト農家の作業スケジュール

トマト農家の一日のスケジュールは、収穫期とそれ以外の時期、さらに栽培方法によっても大きく異なりますが、一般的には早朝に始まり、日没前後に作業を終えることが多いです。
繁忙期(特に夏場の7~8月に出荷のピークを迎えることが多い)には、日中の気温が高くなる前に収穫を集中させるため、作業は早朝からスタートします。

時間帯ごとの作業例(繁忙期)

早朝:収穫作業。気温が上がる前に、熟度を確認しながらトマトを収穫。
午前中:収穫したトマトの選別やパック詰め、出荷準備。
昼:休憩。
午後:翌日の準備や、比較的気温が低い時間帯にハウス内での栽培管理(水やり、追肥、誘引、脇芽かき、葉かきなど)。
夕方:出荷作業の続き、片付け、翌日の計画など。

時期による違い

繁忙期(収穫・出荷シーズン)

7~8月は最も忙しく、作業時間が長くなる傾向があります。休みが少なくなることもあります。

オフシーズン(冬場など)

出荷が終わると、ハウスの片付けや翌年に向けた土壌準備、育苗などが中心。天候によっては自由な時間が増える場合もあります。

周年栽培

ハウス栽培で年間を通して計画的に出荷する場合、季節ごとの忙しさの差は少なくなる傾向があります。

トマト農家の年収とは

トマトは北海道から九州まで広範囲にわたって栽培されており、さまざまな産地と作型で季節を問わず通年で出荷されています。このためトマト農家の年収は、地域ごとに特色があります。

地域別トマト農家の平均年収

北海道

平均年収は約500万~1,000万円です。冷涼な気候を活かした夏場の露地栽培が中心で、大規模経営が多く、ハウス栽培も導入されています。出荷量が多いため、収益は比較的高い傾向です。

関東地方

年収300万~700万円程度。ハウス栽培が盛んで、首都圏市場に近いことから販路が広く安定しています。収益性は高いものの、農地規模によって収入差があります。

東海地方

平均年収は400万~800万円程度。温暖な気候を活かしたハウス栽培で高品質トマトを生産し、都市部に近いため販売価格が高く、安定した収入が期待できます。

関西地方

年収300万~600万円程度。露地栽培とハウス栽培の両方が行われ、気候に合わせた多様な栽培が可能です。販売ルートが確保されているため、収入は比較的安定しています。

九州地方

平均年収500万~1,000万円と高水準です。温暖な気候を活かしたハウス栽培が盛んで、全国トップクラスの生産量を誇ります。出荷時期を工夫することで高収益を得る農家が多いのも特徴です。

品種選びで変わる収益性

トマトは品種によって収益性が大きく異なります。高糖度やブランド品種は市場価格が高く、収益性も高いですが、栽培難易度が上がります。一方、一般品種は安定した需要がありますが、価格競争が激しいため、差別化戦略が重要です。

高糖度トマト

フルーツトマトなどの高糖度トマトは甘味が強く、品質が高いため高単価で取引きされます。そのため1反あたりの収益性が高くなりますが、栽培には手間と技術が必要になり、収穫量も通常のトマトと比較すると少なくなることがあります。

中玉・ミニトマト

収穫量が多く、比較的育てやすい品種です。市場での需要も高く、一年を通して出荷が可能です。比較的安定した収入を得やすいのが利点と言えます。

加工用トマト

ケチャップやジュースなど加工食品の原料として取引きされるため、大量に生産されるケースが多いです。栽培コストは比較的低く抑えられますが、販売単価も低めに設定されることが一般的です。そのため、大規模栽培であれば一定の収益を確保できますが、小規模経営では高収入を得るのは難しいとされています。

栽培方法ごとの収益を比較

露地栽培は初期投資が少ないものの、天候リスクが高く収益が不安定になる可能性があります。
ハウス栽培は設備投資が必要ですが、年間を通じて安定した生産が可能で、収益性が高い傾向にあります。
水耕栽培は高品質なトマトを生産できますが、初期コストが高く技術習得が必須です。

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年収を上げるためのポイント

高収益を目指すなら、ビニールハウス導入による安定生産が効果的です。年間を通して栽培できるので収入の安定を見込むことができるほか、スマート農業製品の導入などでさらにトマトに適した栽培環境づくりを行うことで、品質と単価の向上を狙うことも可能です。

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トマト栽培でコストを抑えるには

初期投資を抑える手段として、補助金や融資を活用する方法があります。スマート農業製品や農業機械導入に向けた補助金など、農業で使える補助金は多岐にわたります。

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また、小規模から始めて徐々に規模拡大するという方法もあります。この方法では、リスクを抑えながら安定した経営を目指せます。

トマト栽培はイノチオアグリに相談!

トマト栽培で高収益を目指すなら、ビニールハウス栽培やトラブル発生時の的確な対応などを行い、いかに効率的に、品質の良い作物を作るかが大切です。しかし、設備投資や病害虫対策、スマート農業の活用など、検討すべきポイントは数多くあります。

イノチオアグリでは、ビニールハウスの設計・施工から、スマート農業製品などの機器導入、病害虫発生時の対応や栽培改善までトータルでサポートいたします。
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