トマト・ミニトマトの病害虫対策【うどんこ病】
施設栽培のトマト・ミニトマトでよく見られる病害のひとつに「うどんこ病」があります。
白い粉をふいたような症状が葉に広がり、放置すると光合成の低下や着果不良、糖度低下など、収量と品質に大きな影響を与えます。
本コラムでは、うどんこ病の発生条件・初期症状・対策のポイントについて解説します。
トマト栽培におけるうどんこ病とは?

うどんこ病は、糸状菌(カビ)が原因で生じる病害で、葉の表面に白い粉をまぶしたようなカビが発生します。
いずれも主に、葉に症状が現れますが、激しく発生すると葉柄・果柄・ヘタでも被害が見られます。施設栽培では、激しく発生すると下葉から枯れ上がり、収量が大幅に減少します。
うどんこ病の原因はカビ!

トマトのうどんこ病は、主に 「Oidium菌」 と 「Oidiopsis菌」 の2種類の病原菌によって発生します。
Oidium菌は、うどん粉を振りかけたように白いカビが密生し、進行すると被害部の組織が黄化します。Oidiopsis菌は、葉の裏面が紅褐色に、表面は黄化します。また、菌糸が葉の組織内に蔓延するため、表面に発生するカビは非常に少ないことが特徴です。
発生しやすい条件
トマトのうどんこ病は乾燥条件で発生しやすいという特徴があります。特に、下記条件で注意が必要です。
- 夏の暑さで樹勢が低下している時
- 昼夜の温度変化が激しい時
- 夜間多湿+日中やや乾燥条件の時
また、発病適温が20~25℃であることから施設栽培では 2~4 月及び 10~11 月に多発生する傾向にあります。
うどんこ病の感染経路
トマトのうどんこ病は、感染葉に形成された分生子(胞子)が伝染源となり、風によって飛散し空気伝染します。
葉面に付着した胞子が発芽し、葉の気孔などから侵入して感染が進みます。
うどんこ病防除のポイント

防除には大きく分けて耕種的防除と薬剤防除の2つの防除対策があります。
耕種的防除
① 予防の基本
うどんこ病は、風通しが悪く光が不足した環境で発生しやすい病気です。発生を防ぐためには、まず栽培環境を整えることが重要です。
不要な葉や芽の除去(葉かき・芽かき)をこまめに行い、株内部の風通しを確保しましょう。ハウス栽培では、適切な換気により湿気や温度ムラを減らし、空気がよく流れる環境を維持することが効果的です。ただし、過度な乾燥は逆に発生を助長するため、乾燥しすぎないよう注意が必要です。
また、植物体の栄養状態も病害発生に大きく関わります。窒素過剰は軟弱徒長を招き、病気にかかりやすい株になってしまいます。バランスの良い施肥と、適切な養水分管理によって、健全で強い草勢を維持することが予防の基本となります。
②発生してしまったら
うどんこ病が確認された場合、部分的な発生であれば、速やかに罹病葉を取り除くことで拡大を抑えることができます。
病斑の出た葉や摘除した残渣は、強力な伝染源となるため、ハウス内の通路や資材の上などに放置するのは厳禁です。必ず圃場外に持ち出し、適切に処分してください。残渣を残すと、温度や風の変化により周囲への再感染が容易に起こります。
薬剤防除
施設栽培では、うどんこ病は発生しやすく、拡大が非常に早い病害です。とくに促成栽培や長期どりでは、初期段階でいかに抑え込むかが薬剤防除の大きなポイントになります。
発生前の予防散布や、発生初期に有効な薬剤防除を実施することで、感染や被害の広がりを最小限に抑えることができます。逆に、初期対応が遅れると病斑が急速に拡大し、後追いの防除では十分な効果が得られにくくなるため注意が必要です。
さらに近年では、一部薬剤で薬剤が効かない耐性菌の発現が確認されております。耐性菌の増加を防ぐためには、同一系統の薬剤を連用しないことが基本です。作用機構の異なる薬剤を計画的にローテーションして使用することで、薬剤効果の維持と発病リスクの低減につながります。
防除チラシでは、薬剤の系統を示すFRACコードを掲載しています。薬剤選択の際は、ローテーション防除の参考にご活用ください。
また、イノチオの「防除チラシ 2月号」では、うどんこ病対策の薬剤 や おすすめ資材 を紹介しています。ぜひご覧ください。
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