ハウスのかさ上げリフォームでミニトマトの収量3倍を実現した理由、導入の背景を愛知県田原市でミニトマト栽培を営む鈴木昌則さんへ取材しました。奥様と研修生2名の計4名で、美味しく質の高いミニトマトを消費者へ届けるために栽培に取り組んでいる鈴木さん。環境制御に適した栽培環境を求めて、ハウスのかさ上げリフォームを行った成果について伺いしました。

イノチオのハウス外装リフォームを知る

所在地等
愛知県田原市
栽培作物
ミニトマト(TY千果、TS-MT620)
導入設備
屋根型ハウス、光合成促進機器(炭酸ガス発生器)、環境制御機器

全国的に一流の農業産地であるというプライドがある

愛知県田原市で約20年、ミニトマトの栽培に取り組んでいます。栽培品種は、TY千果とTS-MT620の2品種です。消費者や市場は、量よりも美味しく質の高いミニトマトを求めています。また、田原市は全国的に一流の農業産地であるというプライドがあります。そのため、所属する部会では量よりも質を求めるという方針で、皆さん栽培をしています。

かさ上げリフォームを行ったきっかけ

そもそもは、炭酸ガス発生器と栽培システム機器を導入して取り組みはじめた環境制御がきっかけでした。しかし、環境制御に取り組みだしたのはいいものの、数値のどこを見れば質の高いミニトマトが育つのか、正直なところわかりませんでした。とくに、春~夏にかけては外気温と光合成促進のために稼働させる炭酸ガス発生器の影響により、ハウス内温度が上昇してしまい、理想の栽培環境とは言えませんでした。

環境制御機器だけでは、理想の栽培環境は作れない

同じように環境制御に取り組み、成果を出していたミニトマト農家の友人のハウスを尋ねたところ、かさ上げされたハウス、立派に育つミニトマトと涼しいハウス内環境に驚きました。友人は、環境制御をする上で重要なのは「飽差などの数値よりも、ハウス内温度の急激な変化を避けること」と言っていました。
その話を聞き、環境制御機器の導入だけではなく、体積を広げて環境制御に適したハウス内環境に改善できる「かさ上げリフォーム」が必要だということに気づきました。また、跡継ぎのいない私たちが、より良い環境でハイワイヤーのミニトマト栽培をするための最良の判断だと同時に思いました。

かさ上げリフォームの効果はてきめん!

まずは、2連棟(260坪)のハウスから柱高80cmのかさ上げを行いました。工事は、柱を切り、ジャッキで上げて、1週間から10日ほどで完了、想像以上に速い工事に驚きました。
1年使用して、かさ上げリフォームの効果はてき面。かさ上げをしたことで、影になる箇所が減り、樹の下部元まで太陽光が届き採光性も上がりました。作物にとって良い栽培環境を作ることができ、全体的に大きく育つようになりミニトマトの階級も上がりました。続けて翌年、3連棟(310坪)のハウスのかさ上げを行いました。

収量3割増!10aあたり収量15tを達成!

かさ上げリフォームをしたことで、ハウス全体の体積が増え、炭酸ガス発生器の使用による温度上昇が以前と比較して気にならなくなりました。採光性も良くなったので、ハウス内の急激な温度変化もなくなり、栽培環境と同時に作業環境としても改善できました。
また、軒高が高くなることでミニトマトの樹(株)を下げる誘引作業も減り、また直立誘引ができるようになったことでミニトマトへのストレスを軽減できていると感じています。おかげさまで、収量は3割ほど増え、10aあたりで収量15tを達成できました。

現場の農家の状況を意識した商品が求められている

イノチオとの付き合いは、家業を継ぐことになってからになるので、もう40年以上のお付き合いになります。
当時のイシグロ農材(旧社名)で働いていた友人に新築ハウスの相談をしたことを今でも懐かしく覚えています。
今後、農家の数は後継者不足等の問題で確実に減っていくと思います。また、今年であれば燃油の高騰で冬場の栽培や経済的にも大きな影響が出ています。そのようなご時世の中で、イノチオはお客さまに寄り添った対応だけではなく、現場の農家の状況をより意識した商品を提供することを期待されていると思います。