慶安元年(1648年)、約400年前から東京都清瀬市で続く農家の17代目にあたる関健一さん。水菜栽培のパイオニアと言われた父親から受け継いだ家業。現在は、水菜栽培だけではなく、新たに養液栽培によるトマト栽培にも取り組んでいます。今回は新設の屋根型ハウスにて、トマト栽培へのこだわり、導入していただいたビニールハウス(温室)と栽培システム、これまで携わった新規就農支援などについてお話しを伺いました。
所在地等
東京都清瀬市
面積
養液栽培600坪(ミニトマト、大玉トマト)、3,000坪(水菜、作付け延べ面積)
栽培作物
ミニトマト・大玉トマト・水菜
関ファームの皆さま

栽培へのこだわりと「COCO TOMATO」


スーパーで販売しているトマトよりもおいしくなくてはダメだと、
味にはこだわりを持って甘さと酸味のバランスの良いトマト作りを心がけています。
関ファームのブランドトマト「COCO TOMATO」をブランディングしたのが10年ほど前になります。
当時、有名な産地のトマトしかネーミングが付いていないというなかでの取り組みでした。
「COCO TOMATO」のCOCOは、イノチオのココヤシ培地を使った栽培方法が由来になっています。

都市型新規就農への心得


これまで、新規就農を目指す方が関ファームへ研修に来て独立していきました。
家業が農家ではない非農家の方だと、農地を探すところからがスタートなので非常に大変です。
さらに、農地の少ない東京でヘクタール規模の農地を探すことはほぼ不可能。
小さい面積でいかに収益を上げるかという考えで取り組む必要があります。
都市型農業のような少ない面積でも養液栽培で稼げる形を確立した強い農業も目指して欲しいです。



イノチオ_屋根型ハウス外観



イノチオ屋根型ハウス内部

ハウス性能が収量を決める


トマト栽培は収量の最大値がビニールハウスの持つ性能で決まると考えています。
より器の大きいビニールハウスを建て、栽培環境を整えて収量を上げていきたいという思いから、
イノチオの屋根型ハウスと栽培システムを導入しました。
屋根型ハウスは採光性に優れており、見るからにトマトが元気そうです。
農業大国オランダで言われている「1%理論(採光が1%増加するこことで収量が1%増加)」
なんてことも期待できるのではないかなと思っています。

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イノチオ_オーダーメイド作業で効率UP

オーダメイドで作業効率UP


トマト栽培の中で誘引作業がもっとも時間のかかる作業です。
誘引作業をいかに効率化して時短できるか、イノチオさんと相談しながら建設を進めました。
その解決方法として、ビニールハウスの軒を少し高く設計して、作業台車が通るレールを引いた仕様を提案していただきました。



イノチオ_AQUABEATEx

繊細な水管理が必要不可欠 AQUABEAT(アクアビート)


トマトは繊細な水管理が必要不可欠。AQUABEAT(アクアビート)は1株あたり何CCという細かな管理ができるので、
自分が表現したいトマトの味を再現するための管理が行いやすく、土耕栽培・養液栽培どちらにも向いている潅水システムだと思います。
また、細かな管理設定ができることでトマト栽培の仲間と「養液を何CCあげている?」という具体的な情報共有もできます。
直感的な操作方法と1株あたり何CCという数値が明確に見えるので非常に管理がしやすいですね

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イノチオ_エアロビート

栽培に必要な機能が詰まっている エアロビート


アクアビートとも連動できる環境制御システムを探していてエアロビートの導入を決めました。
環境制御の結果がパソコン上で可視化できるっていうのが一番のメリットかなと思います。
まだ完璧に使いこなせてないですが、栽培に必要なほぼ全ての機能が詰まっているという印象です。
さらに期待するとすれば、土壌の温度のモニタリングと定点カメラみたいので
ハウス内が遠隔でも見られるようになれば、より良いシステムになるのかなと思います。

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イノチオは充実なアフターサービスも魅力


イノチオさんは、ビニールハウスを建てて終わりではなく、アフタサービスもしっかりしていると実感しています。
台風一過の翌朝も、早朝にもかかわらず営業の方から連絡をいただき本当に気にかけてもらっています。
これからもトマトに限らずキュウリやパプリカ、なす、果菜類などタイミングがあればどんどんチャレンジしていきたいです。
その際にイノチオさんの営農サポートのスタッフの方々に情報提供と栽培指導をしていただきたいと思っています。

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清瀬ベジフルパーティー


コラム➀:東京の農業事情


年々、相続などで農家が所有する農地の市街化が進んでいます。
これからの都市型農業の経営について考えると、面積で勝負するのではなく、
施設園芸化をして面積あたりの売上増を目指すことが生き残っていける道だと思います。
最近では、東京という日本一の都市でビニールハウスを建て、施設園芸に取り組む方が以前と比較してかなり増えてきています。

コラム②:23区で朝採れ東京野菜


清瀬市は市内の約25%が農地ですが、23区内で暮らしている人たちは東京に畑があることもあんまり知らないような状況です。
清瀬市内の若手農家20名ほど集まった共同出荷グループ「清瀬ベジフルパーティー」では、
仲卸業者との協力で清瀬市の朝採り野菜が午後には都心のスーパーに並ぶ流通網を確立しました。
出荷された野菜は「東京野菜」と名前が付き、東京で育った野菜の地産地消を推進しています。
また、環境の観点からもその地域の方が地域の野菜を食べるということが輸送で排出されるCO2の削減にも繋がります。