キュウリ栽培の名人、山口仁司さん(佐賀県武雄市)。現在は経営を息子の真彦さんへ継承し、トレーニングファームJA佐賀で特任講師として、就農を目指す若者たちへキュウリ栽培の手解きをしています。今回のインタビューでは、キュウリ栽培の極意をはじめ、イノチオのビニールハウスと環境制御機器を活用した栽培方法についてお話しいただきました。そして、経営を受け継ぎ、さらなる発展を目指す真彦さんに、これからの農業経営について伺いました。
所在地等
佐賀県武雄市
面積
3,238㎡
栽培作物
キュウリ
導入設備
SANTAROOF、エアロビート(環境制御システム)、AQUABEAT Ex(自動潅水システム)
山口仁司さん2

栽培で大事なのは作物の力を引き出すこと

私のキュウリ栽培は「キュウリの力をいかに引き出すか」ということ、これに尽きます。
以前は、環境制御を整えることが難しいハウスでしたので、土づくりなどにこだわっていました。
今は、潅水も日射比例で株ごとに調整できます。
ハウス内の環境も整っているので十分にキュウリの力を引き出すことができる状態にあります。

山口仁司さん3

高軒高ハウス「SANTAROOF」を選んだ理由

イノチオのSANTAROOFを選んだ理由は、イノチオがハウスメーカーとしてしっかりしているからです。
以前にオランダへ調査に行った際、ハウス内に太陽光を十分に取り入れることで光合成を増やし結果につながるということを学びました。
その点から、何度も打ち合わせを重ねた結果、採光性に優れたSANTAROOFの導入を決めました。

山口仁司さん4

他のハウスと歴然とした差がある採光性

SANTAROOFで栽培をしているキュウリは、年間45トン~47トンほど収穫ができています。
もう一つの古いハウスでは、40トン弱です。
やはりハウス内の環境で最も大切なのは採光性です。
SANTAROOFの採光性は、他のハウスと比較しても歴然とした差があると栽培をしていて感じています。

昨年度(2021年)、スリップスの被害で若干収穫期間が短くなってしまいました。
それがなければ収穫量は50トン近くになっていたと思います。
SANTAROOFはキュウリだけでなく、トマトやナスなどの果菜類にも最適なハウスだと言えます。

山口仁司さん5

エアロビートを選んだ理由

エアロビート導入以前は、簡易の設定機器とモニタが別々の環境制御機器でキュウリを栽培していました。
エアロビートを選んだ理由としては、機器が一体化していて利便性に優れている点です。
さらに、色々とお願いをしてキュウリ栽培に適した仕様に調整してもらいました。

作物と気候に合わせた環境制御システム

現在、ハウスの環境管理に関しては天窓・カーテン・暖房・冷房・潅水・CO2、すべてエアロビートで制御しています。
九州北部の冬場は曇りの日が多いため、この地域の気候に合わせて設定をしてもらいました。

キュウリだけでなく、トマトやイチゴ、果樹なんかでも十分に活用できると思います。
使い勝手も良い機器です。パソコンやスマホに使い慣れている人であれば簡単に使用できると思います。

エアロビートは、アクアビートを含め他の機器と一体化できることが強みです。
他にも各種センサを取り付けられるように工夫している点も魅力だと思います。

システムの共通性で機能以上の効果を生む⁉

イノチオは総合的なメーカーなので、ハウスだけでなく他の資材や肥料なども取り扱いがあります。
さらにリフォームをはじめ、アフターフォローが充実しているところも魅力です。

研修生が独立時に他メーカーでハウスを建設することになっても、環境制御は、エアロビートとアクアビートを導入するケースがあります。
私のハウスと研修生のハウス条件が異なっていても、環境制御で共通性が持たせることで、栽培指導や情報共有ができます。
エアロビートが100点なのか、70点なのか分かりません。
しかし、栽培指導をする際に共通性を持たせることで100点以上の効果を出せると思います。

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これから就農を目指す方へ

最終的には本人の意欲次第ですが、今は便利な資材があるので意外と簡単にできるという認識で就農される方もいます。
しかし、当然ながら作物の生育状況を見ながら使用しないと期待通りの効果は得られません。
やはり農業は簡単ではないということです。

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~山口真彦さん~ 後を継ぐ者として、農業経営への想い

元々は、両親と3人、従業員さん1人~2人でしたが、今は栽培する面積が増えて従業員さんも10名ほどになりました。
自分たちでやればなんとかなるという規模ではなくなりました。

その中で、経営者として気を付けているのは、やはり従業員さんの労務環境と作業効率です。
いかに働きやすい環境をつくり、効率よく作業を進めてもらえるかと意識をしています。
今後は規模を拡大しながら、収量も少しずつ伸ばしていきたいです。

燃料代や肥料代が高騰していて経営的には厳しい部分もあります。
しかし、その中でも利益を出して従業員さんへ還元して、みんなが幸せになれる農業を目指していきたいです。

コラム キュウリ名人:山口仁司さんに聞く「農業の今と昔」

昔は、栽培には長い経験と、その中から生まれる勘が重要でした。
ハウス内環境も緻密に管理できないので、潅水も天気によって多めや少なめと大まかに行っていました。
ここの木がちょっと黒いから肥料を少なめ、と言うように数字で表すことができませんでした。

今では数字で設定を聞くことができ、便利な世の中になったと思います。
だから若い人たちに「採れて当たり前」と言っています(笑)