農業で稼ぐ!儲かる作物と方法について解説!
一昔前、農業は家族で継承をしていくことが一般的な業種でしたが、近年では実家が農業ではなく会社員をしていた方が個人で農業をはじめる新規就農、企業が新事業として農業に取り組む農業参入、このような形で農業へ新規参入が増えてきています。近頃では、野菜やお米の価格高騰も相まってこれまでとは別の視点で農業への注目が集まっています。
そこで気になるのは、仕事として農業に取り組む以上は、稼げるのか?という点ではないでしょうか。今回のコラムでは、「農業で稼ぐ!」のためのポイントを解説していきます。
目次
- 農業は稼げる?経営組織別の農業経営収支
- 稼ぐ農家の3大ポイントを紹介
- 地域や売り先でも稼ぎは変わる
- 農業で稼ぐならおすすめは「施設園芸」
- 新規就農の成功事例を紹介
- 稼げる農業を実現したいならイノチオへ相談!
農業は稼げる?経営組織別の農業経営収支
早速ですが、「農業は稼げる?」こちらの疑問について農林水産省が発表する農業経営統計調査のデータをもとに紹介していきます。
全農業経営体

はじめに、全農業経営体についてです。全農業経営体とは、個人経営体及び法人経営体のことを指します。
令和5年度(2023年)、全農業経営体における全営農類型平均の農業粗収益は1,247.9万円と前年比較で7.1%増加しました。要因としては、作物収入や畜産収入等が増加した影響によるものです。
一方、農業経営費は1,133.7万円、こちらも前年に比べて6.2%増加しています。これは輸入の多い肥料費や飼料費、重油などのエネルギーコストが増加したことが影響しています。これらを踏まえて、農業所得は114.2万円となり、前年に比べて16.3%増加しました。
主業経営体

続いては、主業経営体です。主業経営体とは、個人経営体のうち、農業所得が主で、自営農業に60日以上従事している65歳未満の方がいる経営体を指します。
主業経営体における全営農類型平均の農業粗収益は2,184.8万円と前年に比べて7.3%増加しました。こちらの要因は、全農業経営体と同様だと推察できます。
農業経営費について1,780.6万円と全農業経営体と同様に前年に比べて6.4%増加しています。この結果、農業所得は404.2万円となり、前年に比べて11.4%増加しました。全農業経営体・主業経営体、ともに農業所得は前年度に比べて増加しています。
稼ぐ農家の3大ポイントを紹介

上記の統計による収支だけを見ると、経費などを差し引いた所得がそこまで残らないと感じるのではないでしょうか。たしかに、農業には肥料・農薬・エネルギーなどの固定費があり、収益を圧迫しています。
しかし、農家の中には1,000万円以上という規格外の収入を得ている方も大勢います。なぜそんなにも稼げるのかというと、そこにはきちんとした理由があります。下記で説明している内容が、すべての農家に当てはまるわけではありませんが、高額な所得を得ている農家が取り組んでいる方法についてご紹介します。
高単価の作物を選んでいる
農作物によって販売価格や生産に必要な設備や資材が異なります。需要と供給のバランスにもよりますが、必然的に高単価を実現しやすい作物と、そうでない作物が生まれることになります。農業所得の高い経営体の中には、高単価の作物を選んで作っているところが多く含まれています。
平成19年(2007年)まで農林水産省から発表されていた「品目別経営統計」によれば、生産している作物別に農業経営体の所得が公表されており、作物の種類ごとに比較することが可能です。例えば、ビニールハウスで育てる施設野菜をみると、ミニトマト(202万8,000円)、いちご(189万8,000円)、なす(169万4,000円)の順になっています。施設野菜は果菜類が中心で、10a当たりの農業所得は露地野菜に比べると比較的高い水準にありますが、同時にハウスの管理費といった農業経営費がプラスでかかってくるのが特徴です。
また、露地野菜の場合、10a当たりの農業所得は、ししとうが142万8,000円と最も高く、次いでなすが122万6,000円、きゅうりが118万5,000円といった順になっています。果菜類では、玉ねぎ(11万1,000円)、白菜(12万4,000円)、大根(14万円)といった根菜類や葉茎菜類に比べると収穫量が多く、販売価格が比較的高い水準にあるため、農業所得が高くなります。
スマート農業を活用している
生産にかかる経費を削減することができれば、売上に対する利益を増やすことができ、結果として儲かる農業に近づきます。農業分野における経費削減の例としては、スマート農業の技術を活用して、消毒や養液といった作業を自動化することで人件費を削減したりといった取り組みが行われています。
スマート農業の技術の導入は効率向上と経費削減の両方を見込めることから、注目をされるようになりました。導入コストが発生するものの、長い目で見て経費を抑えて利益を生み出せるような農業経営を行うために、農業へのスマート農業の技術導入は必須となっています。
付加価値のある農業をしている
近年、これまで通りの農作物の生産に特化した1次産業から、加工や販売、サービスまでを一貫して担う「6次産業」に変わる農業経営体が増えてきました。1次産業のみの場合、卸売市場の相場変動の大きく影響を受けることが多くありました。
一方、6次産業の場合は、販売までの決定権を生産者が持つことによって高い売上を見込むことができます。また、生産だけでは得ることができなかった収益を得られることも6次産業化の特長です。儲かっている農業・農家は、こうした新しい取り組みにも積極的にチャレンジしています。
地域や売り先でも稼ぎは変わる
同じ農作物を栽培しても、どのような売り先を持っているのか、どこの地域で営農をしていのかによっても収入は大きく異なってきます。農作物の違いによって売上や経費の差が生じるのは当然ですが、売り先も収入の変動においては非常に重要な項目です。
売り先には、JA出荷、スーパーやレストランとの直接取引、道の駅などの直売所などさまざまな選択肢があります。近年では、自社のホームページを開設してネット販売をされる方、ポケットマルシェや食べチョクなどを活用した販売を行う方も増えてきています。収益を上げるためには、条件の良い売り先探しが大切なポイントとなります。それぞれのメリット・デメリットを調査した上で選びましょう。
また、同じ農作物であっても地域によって産出額や農業所得は大きく異なるのが現状です。その地域の特性を理解して、栽培のしやすさ・販売のしやすさの点を踏まえた作物選びが重要となってきます。
さらに、地域の周辺環境も検討材料に入れましょう。首都圏や名古屋や大阪といった大都市が近ければその分売り先の候補が多くなります。
参照:令和5年 農業総産出額及び生産農業所得(全国) 農林水産省
農業で稼ぐならおすすめは「施設園芸」

施設園芸は、露地栽培に比べて2倍以上の所得が期待できるとされています。農林水産省の2018年のデータによると、10a当たりの施設野菜作の所得は456,000円で、露地野菜作の173,000円を大きく上回ります。施設園芸はエネルギーコストがかかるものの、面積当たりの収益が高く、小さな面積でも高い所得を得られるため、新規就農者にとって有利です。
また、施設園芸はビニールハウス内の環境をコントロールできるため、天候に左右されず安定した栽培が可能です。これにより、計画的な収穫が期待でき、高品質な作物を育てることができます。さらに、病原菌や害虫の侵入を防ぎやすく、被害を軽減できますが、完全に防ぐことは難しいため注意が必要です。
スマート農業の導入により、施設園芸の生産性はさらに向上します。環境制御システムを活用することで、ビニールハウス内の環境を遠隔で管理し、作業負担を軽減しつつ収量と労働生産性を向上させることができます。ただし、スマート農業関連の製品は高額であるため、無理のない範囲で部分的に導入することが推奨されます。
関連記事:農家・農業は儲かるのか?儲かる作物や利益率について解説
イノチオアグリのビニールハウス
イノチオアグリでは、お客さまの多種多様な農作物や栽培方法に適したビニールハウスをご用意しています。新規就農者向けの丸型ハウスをはじめ、大規模向けの高軒高ハウスやオランダメーカーの輸入ハウスまで幅広い製品ラインナップを取り揃えています。
さらに、作物ごとの栽培設備や最新のスマート農業機器までご提案させていただきます。
関連事業:ビニールハウス事業
新規就農の成功事例を紹介
最後に、イノチオアグリで新規就農をイチゴの高設栽培に取り組まれているお客さま事例をご紹介します。
ソルファーム 小栁新太郎さん

小柳新太郎さんは、埼玉県東松山市で脱サラして新規就農し、イチゴ栽培を行っています。実家の農地を活用するために農業を選び、イチゴ栽培を通じてお客さまと直接つながることを目指しました。イノチオの丸型ハウスD-1や灌水制御システム「アクアビート」、高設栽培ベンチ「ストロベリーハイポ」を導入し、効率的な栽培を実現しています。イノチオの営農サポートを受けながら、地元のイチゴ栽培を盛り上げることを目標にしています。
小柳さんは、農業の効率化と品質向上を図るために最新の技術を積極的に取り入れています。特に、灌水制御システム「アクアビート」を活用することで、水やりの手間を大幅に削減し、作物の生育に最適な環境を整えています。また、高設栽培ベンチ「ストロベリーハイポ」を導入することで、作業の効率化と収量の向上を実現しています。これらの取り組みにより、小柳さんは高品質なイチゴを安定して生産し、地元の市場で高い評価を得ています。
関連事例:丸型ハウスD-1でお客さまとつながるイチゴ栽培
稼げる農業を実現したいならイノチオへ相談!
イノチオアグリでは、これまで既存の生産者、新規就農者・農業参入企業をはじめ多くのお客さまの農業をサポートしてきました。初期投資のビニールハウスや栽培設備などのハード面だけでなく、農薬・肥料・カーテンなどの資材をはじめ営農支援などの営農開始後のソフト面まで幅広く対応しています。
これから「稼げる農業」を目指して農業を検討している方は、イノチオアグリへのご相談をお待ちしています。