ビニールハウスの遮光ネットの張り方とは?設置方法や効果、選び方をわかりやすく解説
近年の気候変動に伴い、夏場の高温対策は施設園芸における重要な課題となっています。特にビニールハウスは太陽光を効率よく取り込める一方で、夏季はハウス内の温度が非常に高くなりやすく、作物に大きなストレスを与えることがあります。
高温による障害は、生育不良や収量低下だけでなく、品質の低下や病害発生のリスク増加にもつながります。そのため、多くの生産者が暑さ対策の一つとして「遮光ネット」を活用しています。
遮光ネットは比較的導入しやすい資材ですが、適切な張り方や遮光率の選定を行わなければ、期待した効果が得られないこともあります。
この記事では、ビニールハウスにおける遮光ネットの効果や設置方法、外張りと内張りの違い、選び方のポイントについてわかりやすく解説します。
目次
- ビニールハウスに遮光ネットが必要な理由
- ビニールハウスの遮光ネットの張り方は2種類
- 遮光ネットの設置方法と張り方のポイント
- 遮光ネットの選び方
- 遮光ネット導入時に専門家への相談がおすすめな理由
- ビニールハウスの暑さ対策ならイノチオアグリへご相談ください
ビニールハウスに遮光ネットが必要な理由

夏場のハウス内は想像以上に高温になる
ビニールハウスは、太陽光を効率的に利用して作物の生育を促進する施設です。しかし、夏場になると外気温以上にハウス内温度が上昇しやすくなります。
例えば真夏の日中には、外気温が35℃程度でもハウス内は40℃を超えるケースがあります。換気設備や循環扇を設置していても、強い日射が続く状況では十分に温度を下げられないことも少なくありません。
作物によって耐暑性は異なりますが、多くの野菜や花きは高温条件が続くと以下のような影響を受ける可能性があります。
- 葉焼け
- 生育停滞
- 花落ち
- 着果不良
- 品質低下
- 収量減少
こうした高温障害を防ぐために、日射量そのものを調整する対策として遮光ネットが活用されています。
遮光ネットで期待できる効果
遮光ネットの最大の役割は、太陽光を適度に遮ることでハウス内温度の上昇を抑えることです。
強い日射を緩和することで、作物が受けるストレスを軽減し、生育環境の改善が期待できます。
主な効果としては以下が挙げられます。
- ハウス内温度の上昇抑制
- 葉焼けの軽減
- 作物の生育安定化
- 作業環境の改善
- 潅水負担の軽減
また、生産者がハウス内で行う収穫や管理作業においても、直射日光が弱まることで作業しやすい環境づくりにつながります。
遮光以外にも期待できるメリット
遮光ネットは単に日差しを遮るだけではありません。
種類によっては光を拡散させる効果があり、作物全体に均一な光を届けやすくなる場合があります。また、一部の作物では品質向上や色付きの改善などにつながるケースもあります。
ただし、遮光しすぎると光合成に必要な光量が不足し、生育に悪影響を与える可能性もあります。そのため、作物や栽培条件に合わせた適切な選定が重要です。
ビニールハウスの遮光ネットの張り方は2種類
遮光ネットの設置方法には大きく分けて「外張り」と「内張り」の2種類があります。
それぞれ特徴や効果が異なるため、自身のハウス環境や栽培品目に応じて選択することが重要です。
外張り(ハウスの外側に設置)
外張りは、ビニールハウスの屋根や側面の外側に遮光ネットを設置する方法です。
外張りのメリット
最大のメリットは、太陽光がハウス内部へ入る前に日射を遮断できることです。
ハウス内に熱が入り込む前に遮光できるため、温度上昇抑制効果が高いとされています。
また、
- 遮熱効果が高い
- 高温障害対策として有効
- 夏場の温度管理に効果的
といった特徴があります。
外張りのデメリット
一方で、設置には注意も必要です。
- 高所作業になる
- 強風対策が必要
- 脱着作業に手間がかかる
特に台風や強風が予想される地域では、ネットの固定方法を十分に検討する必要があります。
内張り(ハウスの内側に設置)
内張りは、ハウス内部のワイヤーや支柱などに遮光ネットを取り付ける方法です。
内張りのメリット
- 設置しやすい
- 強風の影響を受けにくい
- メンテナンスが容易
比較的小規模な施設や手軽に導入したい場合に選ばれることがあります。
内張りのデメリット
太陽光はすでにハウス内へ入っているため、外張りと比較すると温度抑制効果が低くなる場合があります。
そのため、高温対策を最優先に考える場合は、外張りと他の設備を組み合わせるケースも見られます。
遮光ネットの設置方法と張り方のポイント

設置前に確認したいポイント
遮光ネットを設置する前には、以下の項目を確認しておきましょう。
栽培品目
作物ごとに必要な光量は異なります。
トマト、キュウリ、イチゴ、花きなど、それぞれ適した遮光率が異なるため事前確認が必要です。
地域の気候
同じ作物でも地域によって日射量や気温が異なります。
高温地域では遮熱性を重視し、比較的冷涼な地域では遮光率を抑えるなどの調整が求められます。
ハウス構造
パイプハウスと大型施設では適した施工方法が異なる場合があります。
既存設備との兼ね合いも含めて検討しましょう。
外張りの設置方法
一般的な外張り設置の流れは次のとおりです。
① ハウスサイズを測定する
② 適切なサイズの遮光ネットを準備する
③ ハウス上部へ展開する
④ 専用固定具やロープで固定する
⑤ たるみや浮きを調整する
⑥ 定期的に点検を行う
特に強風時にネットがばたつくと、破損や飛散事故の原因になるため注意が必要です。
内張りの設置方法
内張りでは以下のような流れで設置します。
① ワイヤーや支持部材を設置する
② ネットを吊り下げる
③ 開閉式の場合は可動部を調整する
④ 作物への影響を確認する
作業しやすさや採光性を考慮しながら調整を行います。
設置時の注意点
遮光ネットを設置する際には次の点に注意しましょう。
- 過度な遮光を避ける
- 換気機能を妨げない
- 強風対策を行う
- 定期的に点検する
また、農業資材や施工方法は製品によって異なるため、実際の施工前には販売店やメーカーの説明を確認することが大切です。
遮光ネットの選び方

まずは遮光率を確認する
遮光ネット選びで最も重要なのが遮光率です。
一般的な目安として、
- 20〜30%・・・軽い遮光
- 30〜50%・・・一般的な高温対策
- 50%以上・・・強い日射対策
があります。
ただし、適正な値は作物や地域によって異なります。
遮光率が高ければ高温対策になるとは限らず、光不足による収量低下を招く可能性もあります。
色による違い
黒色ネット
最も一般的なタイプです。
遮光性能が高く、広く普及しています。
シルバー系ネット
太陽光を反射することで遮熱効果が期待できます。
近年の高温化に伴い採用が増えているタイプです。
白色ネット
光を拡散しやすく、均一な採光を目的として使用されることがあります。
耐久性も重要なポイント
遮光率だけでなく耐久性も重要です。
確認したいポイントとして、
- UV加工の有無
- 耐候性
- 使用可能年数
- メンテナンス性
などがあります。
購入価格だけでなく長期的なランニングコストも考慮して選びましょう。
遮光ネット導入時に専門家への相談がおすすめな理由

遮光ネットは比較的導入しやすい資材ですが、栽培環境によって最適解は異なります。
例えば、
- どの遮光率を選ぶべきか
- 外張りと内張りのどちらが適しているか
- 他の暑さ対策資材と組み合わせるべきか
など、判断が難しいケースも少なくありません。
また、換気設備や循環扇、遮熱資材などと組み合わせることで、より効果的な環境改善につながる場合もあります。
そのため、導入を検討する際には販売店やメーカー、施設園芸の専門家へ相談することをおすすめします。
なお、本記事で紹介した内容は一般的な情報です。実際の導入にあたっては、栽培品目や地域環境、ハウス構造などを踏まえ、販売店やメーカーへ相談した上で適切な製品・施工方法をご選定ください。
ビニールハウスの暑さ対策ならイノチオアグリへご相談ください
近年の猛暑は、施設園芸においてこれまで以上に高度な環境制御を求めています。遮光ネットは有効な高温対策の一つですが、それだけで十分な効果が得られない場合もあります。
例えば、
- 換気設備の改善
- 循環扇の導入
- 遮熱資材の活用
- ハウス構造の見直し
などを組み合わせることで、より効果的な環境づくりが可能になります。
イノチオアグリでは、農業用資材の提案だけでなく、既存ハウスの性能向上を目的としたハウスリフォームにも対応しています。
「どの遮光ネットを選べばよいかわからない」 「暑さ対策をしたいが何から始めるべきかわからない」 「既存ハウスの環境改善を検討している」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
栽培環境や作物に合わせたご提案を通じて、生産性向上と安定した農業経営をサポートいたします。
