農業を学ぶにはさまざまな選択肢があります。

実際に農業で生計を立てている農業生産者でも経営は簡単なことではありません。農業経営を学ぶには、自分の学びたい内容や時間に合わせて勉強するのがおすすめです。

今回のコラムでは、農業経営を勉強するおすすめの勉強方法8選とそのメリットについてご紹介します。

 

農業経営の現状とは?

日本の農業において、高齢化・人口減少が本格化する中で、農業者の減少や耕作放棄地の拡大がさらに加速化し、地域の農地が適切に利⽤されなくなる懸念があります。

農地を有効化するには、⽣産の効率化やスマート農業の展開等を通じた農業の成⻑産業化に向け、農地が利⽤されやすくする必要があります。


分散錯圃の状況を解消して、農地の集約化等を進めるとともに、⼈の確保・育成をする必要があります。

参考資料:農林水産省「農業経営をめぐる情勢について」農地等をめぐる状況

農業経営の課題

農業経営の課題の一つに農業従事者の高齢化が挙げられます。
2023年における基幹的農業従事者数は116万⼈、平均年齢は68.4歳(2022年)で、年齢構成は70歳以上の層がピークになっています。

今後10年から20年先を⾒据えると、基幹的農業従事者数は⼤幅に減少することが確実であり、少ない経営体で農業⽣産を⽀えていかなくてはならない状況にあります。

農業経営の今後の課題は、農業の担い手の確保と経営者視点を持つ人材の育成が重要となってきます。

参考資料:農林水産省「農業経営をめぐる情勢について」基幹的農業従事者の年齢構成

農業経営を勉強するおすすめの勉強方法8選!

これから農業をはじめる人も、現役の農業生産者の方も農業を継続的に学ぶことは重要です。農業を学ぶおすすめの方法は以下の8つです。

農業大学で農業経営を学ぶ
農業大学校で農業経営を学ぶ
農業法人で働きながら経営を基礎から学ぶ
社会人におすすめ!農業経営セミナーで勉強する
農業ボランティアに参加する
農業経営に関する資格や免許を取得する
SNSで気軽に勉強する
独学で本を読んで勉強する

それぞれの勉強方法にメリットがあり、学びたい内容に合わせた勉強方法を選ぶことが大切です。一つずつ解説します。

農業大学で農業経営を学ぶ

農業の勉強をするための方法として、まず挙げられるのは、農業大学に通って勉強することです。学費を払って、きちんと座学形式で学問を学びたい方に向いています。

農業が学べる学部のある大学は全国各地にあります。大学によって、専攻する領域などが異なるため、自分の学びたい内容をもとに選ぶのがおすすめです。

農業大学で学べることとは?

農家になるには幅広い知識が必要です。文部科学省が所管する農業大学では、農業に関するさまざまな知識を学べます。栽培や加工方法などの生産方法を研究したり、環境保全に配慮する農業や地域経済に果たす農業の役割など多方面から農業を学びます。

独立就農をする予定の場合は、農業概論や農業生産学などの専門的な学問に加え、経営に関わる農業簿記や農業経営学も学ぶことができるのがメリットです。

4年制の大学で、栽培技術を学ぶだけでは身に付けられない知識や考え方を習得できるのは農業大学の魅力的な要素の一つです。

農業大学校で農業経営を学ぶ

農業大学校とは、農業への就職を目指す方や経営発展のためにスキルアップを目指す農業者の方を対象とした研修教育機関です。

農業大学校には、「養成課程」、「研究課程」、「研修課程」という3つの学習過程があります。教科は稲や畑作物、野菜、果樹、花き、酪農、肉牛、養豚、養鶏などで、それぞれの分野で専門的な知識や技術を学びます。

参考資料:農林水産省【農業大学校等のご案内】

農業大学と農業大学校の違い

前述した農業大学で学ぶ農学とは、生物学や遺伝子学などといった人間生活と関係する食についての学問です。農業大学校はより実践的な農業に関する知識を勉強するという違いがあります。

在学年数は、ほとんどの農業大学が4年制に対して、農業大学校は1~2年であるのが多く、学費も大きく異なります。

ここからは、具体的に農業大学校の学ぶコースについて解説します。

養成課程

養成課程は、高校卒業程度の学力を有する人を対象にした入門的な学習課程です。標準的な履修時間は2年間2,400時間で、80単位以上を取得する必要があります。学習方法は、「講義・演習・実験」と「実習」が概ね半分ずつです。

研究課程

研究課程は、養成課程の卒業生や短大卒業者などを対象としています。標準的な履修時間は養成課程と同じく2年間2,400時間で、80単位以上の取得が必要です。中には1年間としている学校もあります。

研究課程では、養成課程で学んだ内容をさらに深め、高度な農業の技術や経営能力を養成することを目指します。学習方法は「講義・演習・実験」と「実習」が概ね半分ずつです。

研修課程

研修課程は、すでに農業に関わる仕事をしていてさらに技術や知識を高めたい方や、これから新たに就農を希望する人を対象としています。

農業法人で働きながら経営を基礎から学ぶ

学校に通う以外の方法としては、農業法人で勤務するという方法があります。実際に農業でビジネスをしているプロの元で働きながら学ぶことができます。それぞれの農業法人ごとの栽培形式や経営スタイルを肌で感じられるのが最大の魅力です。

また、農業大学や農業大学校との違いは学費がかからずに学ぶことができる点です。
農業法人で働くメリットを詳しくご紹介します。

働きながら学べる

農業法人に就職すると、サラリーマンと同じように給料を受け取って働きます。安定した収入を得ながら、農業の知識や技術を習得できるというメリットがあります。

作物ごとに選べる

事前に学びたい作物が決まっていれば、その作物を栽培している農業法人を選ぶことで、その作物について深く学ぶことができます。

栽培する作物によって必要な知識や技術が異なるので、農業法人で作物について深く学ぶことはとても大きなメリットと言えます。

社会人におすすめ!農業経営セミナーで勉強する

短期間で比較的気軽に勉強できる方法として、農業経営に関するセミナーを受講する方法があります。学校に通うことが難しい社会人にとても有効的な方法です。

セミナーは、農業の専門のプロに分かりやすく説明してもらえるため、理解しやすく、効率的に学ぶことができます。

イノチオの農業経営セミナー

農業経営を学びたい方や企業として新規事業での農業参入を検討している方が事業成功に向けて勉強できるセミナーです。農業の収支計画は項目が多く、特に複雑と言われますが、利益を生むために注目するべきポイントは限られています。

農業経営を成功させるために注意するべき点などや農業参入時によく選ばれる主要作物の実際の収支計画をもとに、詳しく解説いたします。

参考リンク:イノチオアグリの農業経営セミナーを見る

農業ボランティアに参加する

野菜作りが好き、農村生活にあこがれているなどの理由で将来就農を考えて勉強したい方は農業ボランティアがおすすめです。

農業ボランティアとは、農家の仕事をお手伝いする形で、全国各地で募集をしています。実際に生産者の近くで農業に触れるのは、メリットが多くあります。


農業ボランティアや農業体験での最大のメリットは、農家さんと関係性が築くことができれば、自分が就農する際に長年の知識と経験で土地選びから設備選びを導いてくれることです。

農業経営に関する資格や免許を取得する

農業経営に関する必要な資格や免許はありません。

しかし農業に関する資格を取得することで、農業経営に関する知識理解を深めることはできます。農業経営をする上であると便利な資格を解説します。

日本農業技術検定

日本農業技術検定は、新規就農や農業法人・関連企業等への就業をめざす学生や社会人などを対象に、農業界の人材育成・確保にむけて、農業の知識や技術の修得水準を客観的に把握し、教育研修の効果を高めることを目的とした全国統一の農業専門の試験制度です。

参考資料:一般社団法人 全国農業会議所「日本農業技術検定のご案内」

農業経営アドバイザー

農業経営アドバイザーとは、農業経営に必要な税務・労務・マーケティングに関する専門的な知見を活かして、農業経営の発展に向けた各種アドバイスを提供する専門家です。

株式会社日本政策金融公庫が運営する資格制度で、本店・支店と連携して融資相談の対応を行うなど、農業経営者を支援する一面もあります。

参考資料:日本政策金融公庫「農業経営アドバイザーとは」

SNSで気軽に勉強する

SNSを活用して勉強するのも有効的です。実際にSNSで発信している生産者の方は多くいます。SNSは即時性があり、最新の情報をもとに勉強することができます。

またYouTubeには、生産者の声や、農業メーカーの商品紹介など、さまざまな内容が出ています。

イノチオグループのYouTubeでは、病害虫情報やお客様事例など、数多くの情報を発信しております。

YouTubeリンク:イノチオグループのYouTube

農業情報を配信中!イノチオアグリ公式Instagram

イノチオアグリでは、公式のインスタグラムで配信をしています。
セミナーのご案内やおすすめ資材など、農業に関わる情報を幅広く配信しています。

Instagramリンク:イノチオアグリのインスタグラム

独学で本を読んで勉強する

農作業に関する栽培技術が記載されている本は多くはありませんが、農業経営に関する本は数多くあります。

顧客のニーズが変化していく現代では、作物の販路の幅も広がり、農家さんも経営者視点が要求されています。
その「経営」の部分を本から学ぶのがおすすめです。

イノチオアグリの就農支援

イノチオアグリは、ビニールハウスにたずさわり50年以上の知見があります。

培ったノウハウを活かし、新規就農までの計画立案からビニールハウス設計、建設、収支シミュレーションのご提案とトータルでご支援しております。

お客さまのご要望や理想とする農業経営に基づいてビニールハウス、内部設備を設計し、栽培方法や作業計画を一緒に考え、事業収支の試算をお手伝いしております。

さらに、圃場研修や専門指導員による就農後のサポートで、事業開始の準備期間から栽培開始後の運営管理や労務管理に至るまで、農業ビジネスの最前線で培ったノウハウを活かし、お客さまの農場運営をトータルサポートします。