イチゴの産地、静岡県伊豆の国市でビニールハウスと高設栽培を活用してイチゴ栽培に取り組む梅原広隆さん。梅原さんは、自身の農業経営だけでなく、新規就農者に栽培技術を伝授し、地域農業の発展に尽力しています。今回のインタビューでは、イチゴ栽培のポイント、導入しているイノチオの丸型ハウスD-1の魅力、これからの農業経営への考え方について伺いました。
所在地等
静岡県 伊豆の国市
栽培作物
イチゴ
導入設備
丸型ハウスD-1
イノチオ_梅原隆広さん1

歴史あるイチゴの名産地【静岡県 伊豆の国市】

伊豆の国市(静岡県)は、約60年続くイチゴの産地です。かつてのイチゴ栽培は、土耕栽培が中心でしたが、今では半数以上の生産者が、イチゴ高設栽培システムを導入して栽培に取り組んでいます。

伊豆の国市ではJAに出荷する生産者だけで、約150件のイチゴ生産者がいます。収量も年々増加しています。歴史がある産地なので、東京を中心とした市場がこの産地に期待をして下さっており、販売面は非常に恵まれた環境となっています。

冬と夏 年2作のイチゴ栽培

現在、伊豆の国市で冬いちご(紅ほっぺ)を30a、夏は標高の高い富士山麓(裾野市)で夏イチゴ(すずあかね、信大BS8-9)を13a栽培しております。

販売として冬イチゴについてはJAへ全量出荷、夏イチゴは全て静岡県東部内で直販をしています。夏イチゴは非常に需要が高く、販売単価も冬イチゴに比べ2倍近くあるため、非常に将来性を感じています。

しかしながら栽培が非常に難しく、夏だけでの経営はうまくいかないため、高冷地で同一ハウス内での年2作栽培を開始しました。将来的には裾野市でもD-1ハウスを建て、同一ハウス内での、年2作のイチゴ栽培の規模を増やしていく予定です。

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イチゴの栽培管理の心得

イチゴはとてもデリケートな作物で、非常に痛みが早く、中1日でハウスを回り収穫をしています。

収穫は毎日の仕事なので、少しでも収穫時間が短縮できるよう、葉っぱと果房を分ける紐を設置し、時間短縮と同時に、ロスの軽減も行っています。果実に光があたり、照りや糖度、硬度も向上しています。

病害虫対策として、苗の時期は5日おきに薬剤散布を行い、定植をしてからは極力、薬剤散布をしないようにUVBライトや、4~5種類の天敵資材を導入しています。そのため、収穫期はほぼ薬剤散布をしないでイチゴの栽培が行えています。

イチゴの収量は根で決まると考えており、ナノバブル水を毎日流し込み、排液ECやPHを測定することによって、イチゴの健康状態を日々チェックしています。

さらに、光合成量を確保できるよう二酸化炭素を制御することで、現在10aあたり8t以上は毎年収穫できています。

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丸型ハウスD-1の1番の魅力はコスト面

丸型ハウスD-1の1番の魅力はコスト面です。他社の同等水準のビニールハウスと比較しても低コストで建設をしてくれた実感があります。鉄骨などを自社工場で加工しているのも大きいのではないかと思っています。

丸型ハウスD-1で栽培をはじめてから、3作が終了しました。以前のビニールハウスよりも軒高が高く、温度・二酸化炭素濃度の維持が簡単になり、ビニールハウス内に光を取り込む量も多くなって収穫量が非常に増えています。実感として1.3倍くらいは増えたと思います。

イノチオは、ビニールハウスの建設実績が多く、経験値も高いので洗練されていて、自分では思い付かないような施しをしてくれます。D-1ハウスは、想像以上のビニールハウスだと実感しています。来年度の規模拡大が決まっていて、D-1ハウスを29a増反します。

丸型ハウスD-1は、新規就農者におすすめ!

コスト面を考えると、これから新規就農をする方々へもおすすめできます。私は、新規就農希望者を研修生として受け入れています。既に2名が就農をしていますが、D-1ハウスが良いと言って選んでいます。

私はD-1ハウス以外のビニールハウスを使用している色々な生産者のところに連れていき、好きなビニールハウスを選ぶようにと、本人の意思を大切にしています。

研修生全員がD-1ハウスを選んだ事は、やはりコスト面や使いやすさ、災害にも耐えられる部分が魅力に感じているからだと思います。また、イノチオアグリという企業に魅力を感じているから選んでいると、私は実感しています。

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イノチオとの出会いは、私の農業人生に大きなプラス

たまたま、三島市にいる知り合いのトマト農家が私を紹介してくれ、イノチオの営業担当者が訪ねてくれたことがきっかけです。ちょうどビニールハウスの建て替えを検討していたタイミングでしたので、お会いして取引がはじまりました。

ビニールハウスは、住宅と同じように、50年以上維持するもので、欠陥があったりすると取り返しがつかない後悔をしてしまいます。販売実績・信用・アフターケアと、大切な部分をイノチオは持っています。

また、普段から仕事が早く、何か欲しい資材などがあるとすぐに対応していただけます。フィルムも自社加工をしているので、安価で品質の良い商品を提供してくれていて、農業者目線だと感じています。

イノチオとの出会いは、私の農業人生に大きなプラスをもたらしており、三島市のトマト農家には本当に感謝しています。

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関わるみんなが幸せになる農業経営

毎年、収量の最高記録を更新しています。利益も上がってきているので、いよいよ来年、D-1ハウスで規模を現状の2倍に規模拡大することが決まりました。来年からは正社員も採用し、作業改善を進め、より楽しく、働きやすい職場にします。

家族・従業員・イチゴを買ったお客様、みんなが幸せになるイチゴ生産者になりたいです。また従業員の福利厚生を考えたら法人にする必要もあると思い、法人化も進めていきたいと考えています。

ミニコラム~新規就農希望者と伊豆の国市~

新規就農者にとっての伊豆の国市とは?

伊豆の国市は、新規就農者にとってすごく優しいです。地域によっては、よそ者が農業をすることに悲観的な声もありますが、伊豆の国市は「あなたたちのおかげで産地が盛り上がる」と優しく迎え入れてくれます。

既存の生産者も、新規就農者も一丸となって産地を盛り上げたいと考えています。

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未来のイチゴ生産者 白田容康さん

出身は埼玉県です。農業に関しては、小さい頃から興味がありました。就農しようと決めたのは結婚がきっかけです。生活スタイルは変わりますが「農業をやってみないか?」ということで妻と一緒に伊豆の国市へやってきました。今は研修期間で、就農は来年(2023年)の1月、実際にハウスを建てて定植になると9月ごろになります。

私もビニールハウスは、D-1ハウスを選びました。静岡県西部の風が強い地域でよく使用されているという話を聞いて、台風などの強風にも耐えられるハウスがいいなと思い選択しました。