計画的な新規就農・農業参入ビニールハウスができるまで
はじめてビニールハウスを建てる方の中には、「どのような流れで完成するのか?」「作物を栽培するまでにどれくらいの時間がかかるのか?」などの疑問があるのではないでしょうか。今回は、ビニールハウスができるまでの流れを中心に、ビニールハウスの豆知識から新規就農者が活用できる支援制度まで、就農前に知って得する情報をご紹介します。
ビニールハウスの基礎知識
ビニールハウスを選ぶ際に考えることとして「栽培する生産物や栽培方法に適した仕様となっているのか?」「建設予定地域の環境に適しているのか?」「準備できる予算に見合っているのか?」など、重要となるポイントは条件によって変わってきます。誰しもが理想の栽培環境を目指していますが、新規就農の場合は以下の5点を押さえましょう。
【ビニールハウス選びの5大ポイント】
➀低コスト ➁耐久性 ③保温性 ④通気性 ⑤採光性
雨風を防ぐフィルムも多種多様にあり、目的や用途によって異なります。
フィルムは大きく分類すると、数年程度で張り替える軟質系と、長期展張を目的とする硬質系に分けられます。光線の透過性もさまざまで、波長や透明性などの選択肢もあります。
しかし、すべての条件に高機能を追求すると予算超過をしてしまう可能性があるため、信頼できるビニールハウスメーカーの担当者と相談をしながら検討を重ねていくことをおすすめします。
ビニールハウスができるまで
STEP1:お問い合わせ
イノチオグループは110年の歴史を持つ農業総合支援企業です。これまで培ってきた実績をもとに、イノチオアグリではお客さまに最適なビニールハウスをご提案させていただきます。建設候補地、栽培作物が決まっていなくてもお気軽にお問い合わせください。
STEP2:建設候補地の調査・測量
建設候補地がすでに決まっている場合は、農業に適した土地なのか調査・測量を行い、インフラなどの条件を考慮した上で適切なアドバイスをさせていただきます。
候補地が決まっていない場合は、施設園芸に適した立地条件をアドバイスさせていただきます。
STEP3:ビニールハウス仕様のご提案
お客さまのご希望に沿ったビニールハウスをご提案させていただきます。
「栽培作物に適したビニールハウス仕様はどれか?」
「目標とする収量はどれくらいか?」
「理想の栽培スタイルに必要な設備やスマート農業製品は何か?」
など、最適なプランをご提案させていただきます。
STEP4:お見積り提出・内容確認
ハウス仕様のイメージが固まってきたら「どれくらいの予算が必要なのか?」お見積りの打ち合わせをします。
ハウス本体工事、各種付帯工事、インフラ工事などを全て含めたお見積りをご提出します。じっくり考えてお見積り内容にご納得いただいてからご契約手続きをしていただきます。
STEP5:加工・製造
イノチオアグリのビニールハウスは自社工場で加工・製造をすることで、安定した品質と納期をお約束します。
イノチオアグリには、日本有数の施設園芸地帯である愛知県を中心に日本全国で50年以上培ってきたビニールハウスの建設実績があります。
STEP6:工事着工
工事は、基礎工事からはじまりビニールハウス本体の建築、被覆材の展張、付帯設備工事と進んでいきます。
内部設備やスマート農業製品の内容によって異なりますが、おおよその建設期間は1,000坪で約3カ月が目安となります。
STEP7:完成・引き渡し
工事完了後、自社検査と竣工検査を実施します。
検査合格後、安全にご使用いただくために独自のガイドブックと保証基準書をお渡して、完成・引き渡しとさせていただきます。
STEP8:アフターフォロー
ビニールハウスの保証は、各項目によって異なりますが、1年~10年の長期保証※をお約束いたします。
ビニーハウス完成後も農業総合支援企業ならではの専門的で幅広い営農サポートと、ビニールハウス建設のみにとどまらないリフォーム事業や農薬、肥料などの資材提供で、お客さまの大切なハウスと事業を支援します。
※保証内容に関する詳細についてはお問い合わせの際にお尋ねください。
ビニールハウス建設をご検討されているお客さまは、農業ハウス事業をご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。
ビニールハウスを建てる前に知っておきたいポイント
個人の新規就農や企業の農業参入で施設園芸の分野で農業をはじめる場合に、ビニールハウスの建設は不可欠です。しかし、ビニールハウスと一言に表現しても種類や規模、導入する設備によって金額感が大きく変動してきます。
こちらでは、お客さま事例のブルーチップさんのように栽培を行うために、ビニールハウスを建てる前に知っておきたいポイントをご紹介します。
知っておきたいポイント➀ビニールハウスの構造体
ビニールハウスの価格は、建設面積の大型化や、軒高(柱高)が高くなることによって、ビニールハウス価格が上がる傾向にあります。それに加えて、風速や積雪等の厳しい地域では、土地環境に耐えうる構造体で設計されるためにさらなるコストアップとなります。
ビニールハウス価格を抑える際は、ビニールハウスの性能を損なわない形で、用地に基づく合理的な設計をすることで金額抑制に繋がります。弊社はお客さまの予算、栽培作物、栽培方式、土地環境をもとにビニールハウス1万棟の建設実績から仕様やビニールハウス建設プランをご提案いたします。
知っておきたいポイント➁被覆材
ビニールハウスのイニシャルのコストダウン、または費用対効果の検討ポイントの1つ目として被覆材があります。ビニールハウスの被覆材は農業用ビニール(農ビ)、ポリオレフィン系フィルム(POフィルム)、硬質フィルムなどがあり、耐用年数や製品特性に応じてフィルムの選定をします。性能や耐久性の高い製品を展張の場合、フィルムそのものの価格とともに、施工方法に伴う資材や工事費も高価となります。
耐用年数3~5年の被覆材と15年以上の長期展張型フィルムを比較すると、 100万円以上の価格差が生じるケースもあります。そのため、立地条件、栽培作物、栽培スケジュール、ご予算などから、お客さまにとって最適な性能(耐用年数、厚み、保温性、透光率、波長、流滴性)の被覆材をご提案いたします。
知っておきたいポイント➂内部設備
ビニールハウスのイニシャルのコストダウン、または費用対効果の検討ポイントの2つ目としてハウス内部設備があります。ハウス内部設備は選択する仕様によって、ビニールハウス本体の価格と同程度またそれ以上の価格になることもあります。
遮光や保温を行う内張りカーテン装置、ビニールハウス内の温度管理を行うための暖房設備やヒートポンプ設備、ハウス内の温度環境の均一化を目的とする循環扇などの空調設備、炭酸ガス施用設備、環境設備や潅水設備など、設備仕様は多岐にわたります。内部設備の選定に関しても、ビニールハウス建設実績1万棟以上の知見を活かして、栽培作物と目的に適したビニールハウスの内部設備をトータルでご提案いたします。
ビニールハウスの建設に活用可能な
新規就農者向け支援制度の紹介
認定新規就農者制度の活用
認定新規就農者制度はこれからの農業を支える 新規就農者を増やし、安定的な新規就農者を地域農業の担い手として育成することを目的にしています。新たに農業を始める方が作成する青年等就農計画(事業計画書)を各市区町村が認定し、認定を受けた方に対して、早期の経営安定に向けた措置を集中的に実施する制度になります。
認定新規就農者制度を取得することで、独立して農業を始める際に必要な設備や機械の初期投資資金や所得確保の給付金等の支援策が優先して、取得できる等のメリットがあります。支援策として、日本政策金融公庫から青年等就農資金(最大3,700万円の融資)や就農後の所得又は生産資材に活用できる経営開始資金(年間最大150万円の給付金)の対象となります。
青年等就農計画(事業計画書)の作成に向けて、イニシャル及びランニングコストの算出が必要です。コストの算出は農地の形状と農地面積に応じて変動し、加えて農地の形状や土地環境に応じて、ビニールハウスの建設が困難な場合もあるため、青年等就農計画(事業計画書)の作成を進める前に候補となる農地を複数ピックアップしておくことが重要です。
候補となる農地をピックアップした後は、新規就農を支援しているハウスメーカーに依頼し、新規就農・農業参入に向けた青年等就農計画の相談に乗ってもらいましょう。
イノチオがおすすめするビニールハウス
【新規就農者におすすめ】丸型ハウスD-1
耐久性と経済性を追求したロングセラー
丸型ハウスD-1は、耐久性と経済性を追求したロングセラーのビニールハウス。80種類以上の作物で導入された建設実績があり、近年ではイチゴ高設ベンチとセットで数多くのお客さまに選ばれています。シンプルな設計構造で建設期間の短縮を実現。それによって、ビニールハウスの価格を抑えることにも成功しました。
また、屋根、樋部に上りやすい構造によって、屋根面の被覆材補修やフィルム交換、遮光剤散布などをお客さまにて行うこともできるので※、事業開始後のビニールハウスのランニングコストを抑えることも可能です。
※お客さまでの修繕や施工の安全を保証するものではありません。
丸型ハウスD-1を見る
【1ha以上の農業参入におすすめ】SANTAROOF
高収量を実現するオランダ式高軒高のビニールハウス
SANTAROOFは、トラス構造を用いた設計で、ビニールハウスの柱高を最大6.0mまでとした広い栽培空間を実現できるオランダ式高軒高のビニールハウスです。作物を上部に伸ばすことで高収量を目指せるハイワイヤー栽培にも対応。トラス構造の採用や部材の強化によって高強度を実現。さらに、屋根部材の小型化によってビニールハウス全体に太陽光が行き届く高い採光性を確保し、作物の成長を促進させます。
広い栽培空間による高い換気効率が温度や湿度のムラを減らし、栽培を安定できることも特徴です。企業の農業参入や大型施設を中心にビニールハウスの価格や建設プラン、栽培開始後の事業プランまでトータルでご提案いたします。
SANTAROOFを見る
イノチオアグリは新規就農・農業参入を支援します
イノチオアグリについて
イノチオアグリは施設園芸(農業ハウスやビニールハウス)に携わり、50年以上の知見がございます。50年以上に渡り、培ったノウハウを活かし、農業参入・新規就農を計画段階からご支援しております。お客さまのご要望や条件に基づいて農場を設計し、栽培方法や作業計画を一緒に考え、事業収支の試算までの事業計画の策定をお手伝いします。
さらに、圃場研修や専門指導員によるサポートで、事業開始の準備期間から栽培開始後の運営管理や労務管理に至るまで、農業ビジネスの最前線で培ったノウハウを活かしてお客さまの農場運営をトータルサポートします。