近年、農地法の改正に伴い増加している企業の農業参入。しかし、農業に参入し、利益を生むことは容易ではありません。

このコラムでは、お客さまの農業事業を総合的に支援するイノチオグループが農業参入のメリットや事業を成功に導く秘訣についてご紹介します。



1:農地法改正で法人の農業参入が8.6倍に増加

 


 2021714日~16日の3日間、愛知県国際展示場(AICHI SKY EXPO)で施設園芸・植物工場展が開催され、イノチオグループも出展しました。

   多くのお客さまが当社ブースへと足を運んでくださいましたが、印象的だったのが、農業参入を検討している企業さまからのさまざまなご相談です。

 

 2009年に農地法の改正で規制が緩和され、農業法人以外の企業も農地が借りられるようになりました。
   2019年に農林水産省から発表された資料注1
によると、2009年から201912月末までに農業へ参入した一般法人数は3,669法人。
 改正前の427法人から約8.6倍に増えています。そのうち、株式会社としての参入企業数が2,326法人と全体の約63%を占めています。

 

 参入企業を業種別で見ると、農業・畜産業が3割、サービス業が2割を占める一方、建設業も1割の355法人が農業参入をしています。

 

 注1:リース法人の農業参入の動向(農林水産省 令和元年12月末)

 

2:収益化の課題 参入企業の8割が赤字?

 

 日本政策金融公庫が発表した過去の資料注2によると、参入企業の76.7%が赤字であるという調査結果がでています。経営に課題を抱える企業が多いのが実情です。

 一方で、同じく日本政策金融公庫が出している食品関連企業への調査資料注3によると、4割近くの37.9%5年以内に黒字化したと回答しています。
    正しいプロセスで経営をしていくことで黒字化は十分可能です


 
注2:平成23年度企業の農業参入に関する調査結果(日本政策金融公庫 平成23年1月)
注3:食品産業動向調査・農業参入(日本政策金融公庫 平成30年10月)

3:企業が農業参入をするメリット

 

 

2009年から2019年の間に約8.6倍にも増えた企業の農業参入。農業参入する大きなメリットを3つご紹介します。

 

【1】自社の既存事業と農業の組み合わせで生まれる相乗効果

企業が本業として取り組んでいる事業の技術(領域)と異業種である農業を掛け合わせることで、これまでにない技術革新や価値を生み出す相乗効果が期待できます。


    他にも、飲食業界であれば自社の農場で育てた野菜を提供することで商品に付加価値が生まれる、オフィスなどのデスクワークが多い社員に自然と触れ合う場を提供できるなどのメリットもあります。

 

【2】地域貢献ができる

地域密着型のビジネス形態を持つ農業。農業に取り組むことで、雇用創出のきっかけとなり、耕作放棄地の有効活用など、地域の問題解決にもつながります。


    2017年に農林水産省が発表した資料注4
によると、耕作放棄地の面積は1975年の131,000haから2015年には423,000haに増加しています。これは日本の農地の約1割にあたります。

 

イノチオグループが担当させていただいた、親会社が製油事業を本業とする「うれし野アグリ株式会社」の事例では、農業参入をすることで100名以上の雇用を創出しています。
    また、農業が地場産業でもあるため、地域の方々との関わりが生まれ、認知度向上にもつながりました。

 

うれし野アグリ株式会社のお客さま事例ページへ

   注4:荒廃農地の現状と対策について(農林水産省 令和2年4月)

 

【3】CSRとIRで企業をPRできる

農業に取り組むことが、SDGsなどの社会的責任の観点から会社にとってのCSR(社会的責任)やIR(投資判断に必要な情報を提供すること)、採用活動での企業のイメージアップになります。

 

4:農業参入を成功させるための5つのポイント

 

 

農業参入の成功と失敗はどこで別れるのか? 農業参入を成功させるための5つのポイントをご紹介します。

 

【1】土地の確保

農業参入を検討する段階で、候補の土地をすでに持っている、これから土地を探さなければならないなど、スタート地点はさまざまです。

   必要な土地の広さや環境も事業形態や栽培方法、目指す生産量など目的によって変わってきます。

耕作放棄地が年々増加しているとはいえ、希望の条件を満たした土地を確保することは容易ではありません。

 

それでは、どのように土地を確保するのか? 農業ができる土地を確保するために、まずは各地域の自治体や農業委員会に相談するのが通例です。

企業側の条件やビジョンを担当者の方に伝え、相談に乗っていただきましょう。

担当者とのつながりができれば、農家さんや土地保有者に掛け合ってもらい、条件の良い土地を借りられるかもしれません。

 

しかし、農地の売買や賃借は一筋縄ではいきません。

そのため、農業生産を開始する1~2年前から、地域や関係者と良好な人間関係を作り、担当者に協力を仰ぐなど事前の準備が大切です。

 

【2】作物選択と事業収支シミュレーション

 栽培作物の選択は、事業を持続的に運営していく上で重要な判断になります。例えば、トマトを栽培すると言っても、一般的に需要のある品種を選ぶのか? 珍しく付加価値の高い品種を選ぶのか? 高収量を目指すのか? 高糖度で質の高いトマトを目指すのか? など選択肢はさまざまです。

 

マーケティング視点での市場調査とターゲットの分析を行い、栽培作物を決定する必要があります。

 栽培作物が決まれば、次は作物を売ることで生まれる売上と、栽培に関わる初期費用と運営費が課題になります。
  目指す作物を作るために必要な設備費、栽培する上で掛かる維持費、作業者の人件費、これらを踏まえて売上目標と栽培に関わる費用を算出して事業のシュミレーションをすることが大切です。

 

 イノチオグループの営農サポート事業では、過去の実績をもとに栽培作物別に事業のシミュレーションを行っています。
  まだ具体的に内容が決まっていなくても、お気軽なご相談から受け付けていますので、お問い合わせください。

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【3】栽培技術の習得

栽培技術がない未経験者だけでの農業参入は極めて困難です。大規模農場での栽培経験がある人材を採用できる可能性も高くはありません。
 栽培技術を習得するためには市町村の自治体やJAで学ぶ、研修を受け入れている農家で学ぶ、農業法人で研修するなど、いくつか選択肢があります。

イノチオグループでは、ミニトマトを栽培する自社農場で研修の受け入れを行っています。お気軽にご相談ください。

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【4】販売チャネルの開拓

農業参入で利益を生むためには「販売チャネルの開拓」が肝になります。

 

2021年に農林水産省から発表された資料注5によると、卸売市場を経由しての青果物取引の割合は平成初期をピークに市場外流通の増加等の影響による取扱数量の減少等により減少傾向で推移して、その後は横ばいが続いています。

 

その理由は、八百屋やスーパーマーケットで青果物を買う人が減ったことにあります。

その代わりに、レストランなどの外食やお弁当などを購入する中食などの割合が増えています。

外食産業や中食、加工品を作る食品工場などは安定した価格・品質を求めています。そのために卸売市場外の契約取引で一定数量を確保する動きになっています。

 

また、コロナ禍でポケットマルシェなどのWEB上での販売も増加傾向にあります。

多様化する販売チャネルのどれを選択し、どういった契約・価格で販売するかという、販売チャネルのニーズの調査・分析や販路確保のための営業活動も農業経営における重要な要素の一つです。

 

注5:卸売市場をめぐる情勢について(農林水産省 令和3年5月)

 

【5】非常時のリスクヘッジ

農業には想定外のリスクが発生します。

例えば、人が作業をするため、栽培や収穫に予定以上の時間がかかることで人件費が増加することもあれば、作業遅れやミスにより計画通りに出荷できない事態が発生することもあります。

害虫の発生によって計画が狂うことも考えられます。

 

一方で、台風や地震、大雨などの自然災害によって修繕が必要となったり、収穫量が減り収入が止まってしまうなど、連鎖的な被害が発生する可能性もあります。また、作物価格の変動で当初予定していた相場で販売できずに売上が減少、燃油の高騰で暖房費がかさむなど、栽培以外の外的要因を踏まえたリスクヘッジも農業経営には求められます。

 

その対策として、保険への加入や各省庁が発表する補助金・補填金などの情報収集といった、万が一のリスクに備えた対策が重要になってきます。

栽培面での内的リスク、栽培以外の外的リスクの両面で、発生しうる農業特有のリスクを事前に洗い出し、事業計画の段階から想定しておくことが重要です。

 

5:農業参入ならイノチオの営農サポート!

 

 

農業参入を検討する企業が増える近年ですが、未経験から参入して計画的に利益を生むことは容易ではありません。

イノチオグループの営農サポート事業では、お客さまのご要望や条件に基づいて農場を総合的に設計し、栽培方法や作業計画を一緒に考え、事業収支の試算を行って、事業計画の策定をお手伝いします。

 

さらに、圃場研修や専門指導員によるサポートで、事業開始の準備期間から栽培開始後の運営管理や労務管理に至るまで、農業ビジネスの最前線で培ったノウハウを活かしてお客さまの農場運営をトータルサポートします。

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6:お客さま事例 株式会社ブルーチップ様(愛知県常滑市/イチゴ、ブルーベリー、ブドウ)

 

 

農業参入する以前は空港業を営んでいた馬場憲之さん。未経験なまま農業へ参入すると決めたとき、ビジネスパートナーをイノチオグループに決めた理由は「ハウス(温室)の建設だけではなく、営農サポートもできること」だったそうです。

馬場さんが代表を務める株式会社ブルーチップは、愛知県常滑市でイチゴの観光農園をはじめ、レストランやワイナリーなどを運営しています。

 

~お客さまインタビュー~

ハウス(温室)の建設だけではなく、営農支援(栽培技術サポート)もできることがイノチオを選んだ最大の理由です。

全く関係のない業界から新規参入したこともあり、私たちは農業に関する経験もなければ、技術もありません。

素人が新規就農をして、継続していくことは容易ではありません。イノチオの営農支援がなければ難しいのではないかと思います。

一会社として、コストに関しても気軽に相談することができ、知識面においても幅広くサポートしていただける部分が、企業としても非常にクリアだと感じました。

・・・続きは下記リンクから

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