はじめてビニールハウスの建設を考えている方のなかには、どこに頼めばよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。一般住宅と異なりあまり広告を出しているメーカーも少なく、小規模な施工業者の場合にはホームページもないという場合もあります。そのため、何を基準に選べばよいのかわからないというケースをよく耳にします。

今回のコラムでは、ビニールハウスの建設でお困りの方向けにビニールハウスの施工業者を選ぶポイントや注意点について解説していきます。

ハウスメーカーが教えるビニールハウスの基礎知識

ビニールハウスとは、皆さまもご存知のとおり、農業で使用する栽培施設のことです。鉄骨や曲げ加工したパイプで骨組みを作り、ビニールを被覆した仕様が基本となります。鉄骨タイプのビニールハウスは、耐久性を高めるためにコンクリート基礎を設けています。

また、被覆資材としてビニール以外にも、ガラスを使用したガラス温室、硬質フィルムを展張したビニールハウスなどがあります。

さらに、栽培する作物や栽培方法に応じて、ビニールハウスのサイズや内部設備も異なってきます。

それでは、さらに細かくビニールハウスについて「鉄骨ハウス」と「パイプハウス」に別けて解説していきましょう。

鉄骨ハウス

基礎や骨組みに鉄製の柱を使うタイプの農業用ビニールハウスは「鉄骨ハウス」と呼ばれています。ハウス形状は、栽培する作物や規模感によって最適な仕様が異なります。一般的には、丸型・屋根型・高軒型の3タイプがあります。

パイプハウスと比べて頑丈な作りをしているため、台風や大雪にも強い構造となっています。自然災害による被害リスクや経年劣化による耐久性に優れている一方で、鉄骨を使用しているためパイプハウスよりも建設費が高価になる傾向にあります。

パイプハウス

鉄骨ハウスとは異なり、鋼管と呼ばれるパイプを支柱に使用した農業用ビニールハウスは「パイプハウス」と呼ばれています。ハウス形状は、最も多く見かける丸型となります。

シンプルな構造のため建設費は鉄骨ハウスより安価ですが、耐久性は弱く台風や大雪などで破損や倒壊するリスクが高くなります。

ビニールハウスの施工業者の選び方

それでは、今回のコラムの本題であるビニールハウスの施工業者の選び方について解説していきましょう。これから依頼される方は、一つの判断基準にしてみましょう。

土地の調査をしてくれる

苦労してせっかく見つけた農地が、必ずしもビニールハウス建設に適しているとは限りません。農地を検討する際は、複数個所を見比べてさまざな視点からビニールハウス建設に最適な農地を見定める必要があります。
ハウスメーカーのなかには、土地の調査をはじめ、水源の水質の調査まで行ってくれる企業もあります。建設してからでは手遅れですので、このような面でも頼れるハウスメーカーへ依頼するようにしましょう。

関連記事:農地を買うには どうしたら良いのか?購入までの流れや注意点を解説

オーダメイドの依頼に対応できる

ハウスメーカーのなかには、既定の商品としてビニールハウスを販売しているところは多いですが、お客さまの土地形状や細かな要望に応える一つずつオーダメイドで設計ができるところは多くありません。

こだわりの栽培設備、肥料や農薬の保管機能を備えた前室など、自分たちの理想に合わせてオーダーメイドの対応をしてくれるハウスメーカーがおすすめです。

関連事業:ビニールハウス事業

建設前に詳細な見積もりをもらえる

ビニールハウスや家ほどの大型の買い物になれば基本的なことですが、事前に詳細の見積りをもらえるかどうかはハウスメーカーを選ぶ上で重要なポイントです。

とくに新規就農者の場合には、ビニールハウスに対する知識が乏しい場合もありますので、事前に詳細な見積りと説明をしてくれるハウスメーカーに依頼をする方が安全でしょう。建設後に、水増し請求などがあると大切な資金を無駄に使用することになってしまう恐れがあります。

設計から施工管理まで1社に任せられる

ハウスメーカーによっては、ビニールハウスの本体のみを自社で扱っており、内部の設備やシステムは他社製品のみという業者もあります。その場合、ビニールハウスの担当はA社、内部設備の担当はB社、システムの担当はC社などの複雑な校図ができてしまいます。そのため、建設後のトラブル時に大本で依頼したA社に相談しても納得のいく回答が得られないという事態が起きるかもしれません。

また、ビニールハウス本体に関しても、パイプハウスには対応しているけど、鉄骨ハウスには対応していないなどの場合もありますので注意しましょう。

関連事業:ビニールハウス事業
関連事業:スマート農業事業

建設後のアフターフォローに対応している

上記でも説明している通り、ビニールハウスは建設したら終わりではありません。重要なのは、建設後の農業経営です。台風や大雨などの自然災害時の修理など予期せぬ事態が起こることもあるでしょう。

ハウスメーカーを選ぶ際には、単純に値段が安いという理由で判断せずに、アフターフォローの体制が整っているかも確認しましょう。

関連事業:ハウスリフォーム事業

ビニールハウスや設備以外の農薬・資材も取り扱っている

実際に栽培をはじめると、細かな資材や病害虫の発生時の農薬など、必要なものが都度出てくるでしょう。周りにすぐ相談できる人がいれば問題ないかもしれませんが、そのような環境ではない場合にはビニールハウスと合わせて農薬・資材についても相談できるハウスメーカーを最初から選ぶことが安定した農業経営のポイントとなってきます。

さらに、栽培していく上での改善やサポートをしてくれる事業を行っているハウスメーカーであれば尚頼りになるでしょう。

関連事業:営農サポート事業
関連事業:農薬・肥料事業

ビニールハウスの施工業者選びが農業経営を左右します!

ビニールハウスの施工業者の選び方で説明している内容の通り、施工業社選びは今後の農業経営を左右する重要な選択となります。とくに、これから農業をはじめる方にとっては最も頼りするビジネスパートナーの側面もあるでしょう。

また、ビニールハウスは高価な投資でもあるため金額のみで判断しがちですが、その後の農業経営まで見越してじっくりと決断してください。

イノチオアグリのビニールハウス

ここからは、ハウスメーカーであるイノチオアグリの製品のご紹介させせていただきます。ビニールハウスは、栽培作物や栽培方法によって最適な仕様が異なるため、自分だけの判断ではなく、しっかりとハウスメーカーとすり合わせをして決定しましょう。

丸型ハウスD-1

丸型ハウスD-1は、耐久性と経済性を追求したロングセラーのビニールハウスです。これまで80種類以上の作物で導入された建設実績があり、近年ではイチゴ高設ベンチとセットで数多くのお客さまに選ばれています。シンプルな設計構造で建設期間の短縮を実現することで、ビニールハウスの建設にかかる価格を抑えることにも成功しました。

また、屋根、樋部に上りやすい構造によって、屋根面の被覆材補修やフィルム交換、遮光剤散布などをお客さまにて行うこともできるので、事業開始後のビニールハウスのランニングコストを抑えることも可能です。

関連製品:丸型ハウスD-1

屋根型ハウス

屋根型ハウスは、鉄筋コンクリート基礎とH型鋼の主骨材を組み付けし、広い空間を必要とする栽培形態に対応できるビニールハウスです。丸型のビニールハウスよりも高い強度と耐久性を兼ね備えております。これまで80種類以上の作物、8,000棟以上のビニールハウス導入実績があります。高い耐久性から台風や積雪の多い地域でも、安心して栽培できるという声をいたいだいています。

屋根型ハウスは、ビニールハウスの間口・柱高を自由に選択できるため、農地形状に左右されず、最大限の栽培面積確保が可能です。農地測量調査を行い、農地を最大限活用した、ビニールハウス価格や建設プラン、事業プランまでトータルでご提案します。

関連製品:屋根型ハウス

サンタルーフ(高軒高ハウス)

サンタルーフは、ビニールハウスの柱高を最大6.0mまで設計できることで、広い栽培空間を備えたオランダ式高軒高のビニールハウスです。作物を上部に伸ばすことで高収量を目指せるハイワイヤー栽培にも対応、トマトやキュウリなど誘引が必要な作物の栽培に選ばれています。その他、トラス構造の採用や部材の強化によって高強度を実現しています。
さらに、屋根部材の小型化によってビニールハウス全体に太陽光が行き届く高い採光性を確保し、作物の成長を促進させます。

広い栽培空間による高い換気効率が温度や湿度のムラを減らし、栽培を安定できることも特徴です。企業の農業参入や大型施設を中心にビニールハウスの価格や建設プラン、栽培開始後の事業プランまでトータルでご提案します。

関連製品:サンタルーフ

ビニールハウスの価格相場について

ビニールハウスの価格は、栽培する作物や求める機能、付帯設備によって変わってきます。ビニールハウスは、農業をはじめるにあたり大きなコストとなる一方で、価格情報などが非常に不透明です。

ビニールハウスの価格について、より詳細に知りたい方はハウスメーカーに相談してみることをおすすめします。下記のコラムは、ビニールハウスの価格相場について解説しておりますので、そちらも参考にしてみてください。

関連コラム:ビニールハウスの値段・価格の相場とは?業者の選び方を徹底解説

イノチオアグリのビニールハウス建設事例

最後に、イノチオへ依頼をしていただきビニールハウスを建設された事例を「新規就農」「大型施設」の2つのタイプに別けてご紹介します。

ホームページでは、他にもお客さまの事例を紹介しておりますので、どのような設備やシステムを導入しているのかも参考にしてみてください。

新規就農のビニールハウス建設事例

埼玉県東松山市でイチゴ生産農家として新規就農をされた小栁さまは、「丸型ハウスD-1」を建設されました。

新規就農とって重要となるコスト面でも、他ハウスメーカーのビニールハウスよりも安価で建てることができたと仰ってくれました。また、丸型ハウスD-1特有の谷換気も湿気が抜けづらく、イチゴ栽培には最適なハウスだと実感していただいています。

関連事例:丸型ハウスD-1でお客さまとつながるイチゴ栽培

大型施設のビニールハウス建設事例

滋賀県野洲市に施設面積2.8haのレタスの水耕栽培用ビニールハウスを建設された株式会社アグテコさま。導入したビニールハウスは、イノチオの製品ラインナップのなかでもトップクラスの環境性能を誇る「サンタルーフ」です。

こだわりの独自の自社開発プラントを導入するにあたり、通常のビニールハウス建設とは異なる内容から、何社かのハウスメーカーからお断りをしていた中での依頼となりましたが、お客さまに納得いただけるビニールハウスを建設させていただきました。

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ビニールハウスに関するご相談はイノチオアグリへ!

ビニールハウス建設にたずさわり50年以上の歴史を持つイノチオアグリは、数多くお客さまのビニールハウスの建設をさせていただきました。

イノチオアグリでは、ビニールハウスやスマート農業製品だけでなく、新規就農や農業参入の支援、収支シミュレーションに基づく作物や栽培方法のご提案や各種資材の提供まで、お客さま一人ひとりの状況に合わせて総合的にサポートさせていただきます。

ビニールハウス建設をはじめ農業に関するお悩みは、ぜひイノチオアグリへご相談ください。