大阪府で新規就農をされた苺屋ガルテンベーレンの立花さん。新規就農にあたり、イノチオのホームページからお問い合わせいただきお付き合いがはじまりました。ご自身で研修先の門を叩きイチゴ栽培を学ばれ、めざした新規就農。その道のりと、イノチオとしてサポートさせていただいた取り組みをご紹介します。
所在地等
大阪府南河内郡
栽培作物
イチゴ

イチゴ農家になりたいと思ったきっかけ

大阪府では、イチゴで新規就農する方を応援するために「いちごアカデミー」という研修を主催しています。そこで学ばれてイチゴ農家になった方とお会いして、非農家からイチゴ農家になれることを知ったのがきっかけで、私も挑戦したいと考えるようになりました。

大好きなイチゴの観光農園を開業してみたいとの思いが強くなりましたが、どうすればよいのか?とわからないことだらけでした。

しかし、大阪府の場合は、新規就農希望者のために門戸を開いてくれていたので、自分もそこで勉強すればイチゴ農家になれると思い勉強をはじめました。

新規就農への道➀ 農地取得

非農家である私は、農地を借りることも、農地を買うこともできない難しい状況でした。
仮に農家になることを前提に農地を借りるとしても、異業種からの新規就農に対する理解のある地主を探さなければいけないことが一番難しいところでした。

行政が行っている農地を借りるための地権者とのマッチングサービスがありましたが、そこも農業従事者でないと借りられないという状況でした。

私の場合、イチゴの観光農園用にビニールハウス建設を念頭にしていたため、すべてを借地にするのではなく、一部の農地は所有したいと考えていました。そこで、自分が農業を始めたい場所に根差している地元の不動産会社に話を聞きに行きました。

すると、想定よりも農地を売りたい地主さんはいるようで、ビニールハウスが建てやすい地質、地形かどうか、実際に農地を見て検討しました。

 農地の売買が成立しても、登記の所有権移動まで新規就農者の認定を受け、市町村が定める一定期間の営農実績が必要です。地主の方にこの事実に関して承諾をもらう必要がありましたが、土地の専門家である不動産会社が仲介しくれたおかげでスムーズに契約することができました。

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新規就農への道➁ 認定新規就農者の資格取得

認定新規就農者の認定を受ける市区町村の決定と、その市区町村で農地を確保するところからはじまります。いくつかの市区町村へお問い合わせをした中で、十分な研修の期間を受けているのか、農地を確保できているのかなどを重要視されていました。

認定新規就農者の認定を受けるためには、前もって研修先を見つけておくか、研修を終えた後に相談をしないと認定を受けることは難しいと感じました。

私自身はすでにイチゴの研修を受けていたので、認定新規就農者の認定をいただくことができました。

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収支シミュレーション

認定新規就農者の認定を受けるための青年等就農計画には、初年度と5年後の所得見込みを記入する欄があります。青年等就農計画の書面上には、1年目と5年目という項目しかありませんが、農業経営に掛かる経費と作物の売り上げなどをもとに計算をした上で、結果の数字だけを記載しなければなりません。

私が一番困ったことは苗代、肥料代、電気代などの経費に関して全く予想できなかったことです。そのようなときに、イノチオさんに相談したら、私の栽培する面積と作物単価を踏まえた収支シミュレーションを出していただきました。

実際の農業経営をしたことがない新規就農者がわからないことも、イノチオさんに相談することで、明確にできました。

作物選定

農地を取得する予定の市区町村とその市区町村の上の管轄機関へ新規就農について相談を伺うと、どちらも何を栽培するのかということを気にされていました。

他にも、実際どれだけの耕作面積を用意できるのか?、どういうところで勉強しているのか?、就農の後に頼れる先があるのか?、販売ルートはあるのか?など細かく聞かれました。

私の場合は、イチゴの観光農園と直販ということもあり収入の目安と、栽培面積に対しておおよその収量見込みが出しやすかったです。

新規就農への道➂ 資金の確保

私の場合は、土地の取得、ビニールハウス建設、就農後の経営っていうところを考えて自己資金の用意もありました。新規就農者の場合は、認定新規就農者になれば青年等就農資金などの国からの支援も受ける資格も得られます。様々な選択肢を考えながら計画を立てていきました。

融資を受ける際は、ハウスメーカー複数社を比較しながら最終的にどこで建てるのか検討することが重要でした。イノチオさんには新規就農に関する経験や実績をもとに、必要な資料を提供していただき、青年等就農資金を活用することができました。

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新規就農への道④ ビニールハウス建設

農地の取得、認定新規就農者の資格取得、資金の確保、これらが終われば次はビニールハウスの建設となります。

私の場合は他のハウスメーカーさん含め検討した上で、イノチオさんに依頼すると決めました。大きな理由のひとつは、見学したビニールハウスがもっとも理想とするイメージに近かったところです。

また、ビニールハウスの建設予定地の計測や水源の水質調査などをしていただきました。

実際に現場をみていただき、水質調査結果を踏まえ、より具体的な相談内容に進めることができ、不安材料がひとつずつクリアされていき安堵しました。

開園!苺屋ガルテンベーレン 

現在は、イチゴ自販機でのイチゴパック販売と、ハウス内の【イチゴ摘み取り体験】の2本柱で経営しています。

自販機でイチゴを購入されたお客が食べて美味しかったからということで、イチゴの摘み取り体験に来てくださることもありました。このような相乗効果を今後も当園の強みとして経営していきたいと考えています。

その他にも、私とスタッフは英語の対応ができることもあり、インバウンドとしてタイからのご家族を迎え、イチゴ摘み取り体験を提供することできました。

日本の方のみならず、イチゴを通してさまざまな方と交流することで、当園がより大きく盛り上がっていければと考えております。

新規就農実現に向けてイノチオに依頼した背景

全く知識がなかったため、イチゴに関する本を読んだり、知り合いのイチゴ農家さんにお聞きしたりする中のひとつとして、イノチオさんへお問い合わせしました。

それから、土地の広さや簡単な情報をお伝えするなどやりとりをするなかで、いちばん詳しく返答をいただけたのがイノチオさんでした。

お問い合わせした際も、すぐにオンラインで説明をしてくれ、わからないことも1つ1つ細かく教えていただき、すごく安心感を持つことができました。

他社メーカーの内容もしっかり検討した結果、ハウス建設だけなくその後の営農サポートがより充実していることが安心材料となり選ばせていただきました。

イノチオに依頼してよかったこと

当初は、本当にビニールハウスはここ、農薬や肥料はあそこ、と全て分けて考えないといけないと思い負担に感じていました。

しかし、営業担当の方が苗の準備から栽培に関することまで、先に準備して進めてくれ、農薬や肥料だけでなく、ビニールハウス周りの外構工事まで、イノチオさんにお願いをすれば全て整うということがわかりました。

ビニールハウスを作るだけで終わらない、「農業を総合的に支援できる」これがいちばんお願いして嬉しく驚くことでした。

新規就農を目指す方へアドバイス

私のように、農業とは全く違う業界で働いていても、いずれは新規就農をして農業をはじめたいと考えている方もいるかと思います。

新規就農をするにあたりいちばん大事なのは、覚悟を決められるかどうかです。周囲には、応援してくださる方もいれば、強く心配してくださる方がいらっしゃると思います。

しかし、周囲の意見に耳を傾けながらも、自分が新規就農するのだと決断するのであれば、その気持ちを絶対に曲げずにいて欲しいです。

また、強い気持ちだけでなく、実際にイチゴ園を開業してから振り返ってみると、準備期間での研修をはじめ、農地取得や資金確保など、新規就農に向けた計画性が重要性になってくると思います。

わからないことは素直に周りに尋ね、一つずつ進めて行くことが大切になってくるのではないかと思います。

新規就農者がつまずきやすいポイント(イノチオアグリ担当営業)

新規就農者のつまずきやすいポイントは、ビニールハウスの建設にあたり農地の選定があげられます。どこにビニールハウスを建てようか、また、ビニールハウスを建てる場所や方角が本当に正しいのかどうかなど、新規就農者の方にはわかりにくいことが多いのかなと感じております。

そのような際に、私たちが実際に足を運んで現場を見せていただき、アドバイスをさせていただければと思います。

イノチオにできること

新規就農の実現に向けた、就農プラン(認定新規就農者の取得、青年等就農資金の申請など)をお客さまと一緒に計画立てし、就農までトータルで支援しております。特に新規就農する際に、重要度が高い就農プランでは、農地の選定や新規就農者の支援制度の説明から実際に必要となる申請書の作成支援、ビニールハウスの設計、建設を支援しております。

新規就農をされた立花様の農業経営のように、ビニールハウスが完成したら終わりではなく、作物の定植がはじまるこれからが本格的なスタートになると思います。

台風やトラブルなどのアフタフォローはもちろんですが、栽培に関わる肥培管理や病害虫への対策といった営農サポートもさせていただいており、安心して農業経営ができるようサポートを行っていきたいと考えております。

認定新規就農者制度とは

認定新規就農者制度とは、これからの農業を支える、新たに就農をされる方を増やし、地域農業の担い手として育成することを目的にした、支援制度になります。立花様のように
青年等就農計画を就農予定の市区町村が認定することで取得することができます。

関連記事:【新規就農者必見!】認定新規就農者制度とは?

認定新規就農者を取得することで、新規就農時に必要な設備や機械の投資資金を確保できるなどのメリットがあげられます。メリットの中には新規就農に向けて、研修受講時から取得できる制度もあるため、積極的に活用しましょう。

関連記事:【新規就農者】支援制度を徹底解説!!

新規就農者の支援制度「青年等就農資金」とは?

青年等就農資金とは、新たに農業経営を始める新規就農者を対象に、国が無利子無担保で最大3,700万円の資金を融資する制度になります。新規就農に必要な設備導入をはじめ、農業経営の基盤を構築するにあたり、力強い支援制度です。

対象となる条件として、市区町村から認定新規就農者の認定を受けた青年(原則18歳以上45歳未満)または効率かつ安定的な農業経営を営むにあたり、活用できる知識・技能を有する65歳未満、これらに該当する人が役員の過半数を占める法人、新たに農業経営を開始してから5年以内の方になります。

青年等就農資金は融資限度額3,700万円(特認1億円)となり、返済期間12年(据置期間は最大5年以内)、無利子の内容から新規就農者のように農業経営が安定するまでの期間も考えられています。そのため、新規就農する際は積極的に活用を検討しましょう。

新規就農実現に向けた支援とは?

イノチオアグリはビニールハウスに携わり、50年以上の知見がございます。培ったノウハウを活かし、新規就農の計画からビニールハウス設計、建設、収支シミュレーションのご提案とトータルでご支援しております。

お客さまのご要望や条件に基づいてビニールハウス、内部設備を設計し、栽培方法や作業計画を一緒に考え、事業収支の試算をお手伝いしております。

さらに、圃場研修や専門指導員による就農後のサポートで、事業開始の準備期間から栽培開始後の運営管理や労務管理に至るまで、農業ビジネスの最前線で培ったノウハウを活かしてお客さまの農場運営をトータルサポートします。